第十三話
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「恐怖の感情を使用す……ぐっ……あぐううぅぅぅ……」
スペルカードを発動した瞬間、俊司はなぜか奇妙な声を上げながらその場にうずくまった。
「はあ……はあ……こわ……い……怖いよぉ……」
徐々に息が荒くなり弱気な発言を始める俊司。手足の震えはさっきよりも増し、あきらかに怯えているようだった。
(ぐっ……ここまで強いなんて……)
変換『感情の真骨頂』
内容は自身が今一番感じている感情を使用して、身体能力を格段にアップさせるスペルカードだった。
だが、俊司のスペルカードはただ単に効果を発動するわけではない。必ずデメリットがある。
『コンバートミラー』はどのような弾幕でも弾薬に変換するが、変換して発砲するまでは他のスペルカードを使用できなくなる。
『犠牲と発達』は五感のうち一つを犠牲にすれば身体能力を増加させるが、犠牲にしたものは発動中に戻ってくることはない。
そして『感情の真骨頂』のデメリットとは
使用した感情を数倍に感じるようになるということ。
恐怖をしようした俊司は、現在数倍に膨れ上がった恐怖を直に受け止めていたのだ。
「はあ……はあ……やらなきゃ……やらなきゃ……」
俊司は必死に自分に訴え続けるが、体はなかなか言うことを聞かない。
それでも何とか立ちあがった俊司は、再び革命軍の人数を確認した。
「増えてるよ……こんなの……無理だよ……」
恐怖に打ち負けそうな俊司は、発言もどんどんとネガティブになっていく。
だが、まだ彼には固い決意がきちんと残されていた。
「はあ……降参……だめだ……ここにいるって……決めたんだ……」
支配されそうな心をなんとか制御しながらハンドガンを握りなおす俊司。
「がんばろう……なんとかなる……そう……なんとかなる……」
なんとか覚悟を決め切れた俊司は、再び革命軍を見て状況を整理し始めた。
「革命軍は大勢……こっちは一人……でも、相手は結構油断してる……」
俊司を追い詰めようとじりじりと近づいてくる革命軍だが、銃をかまえているもののどこか緊張感がぬけていた。
革命軍は俊司がもう諦めていると油断している。それだけでも十分心の励みになった。
「よし……行こう……行くんだ……やれる……」
俊司は再び自分に言い聞かせる。戦闘中に失敗を犯さないようにと…そして…
「うおおおおおおお!!」
俊司は地面を思いっきり蹴り飛ばし、猛スピードで接近し始めた。
「なんだ!?なにがあった!?」
「今確認して……ぐあっ」
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