第二十四話
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
北部トラキア連合の合同軍事会議がもうじき開かれるようだ。
開催の前にアルスター全権のコノモール伯爵より俺に書状が届き、特別顧問というなんだか偉そうな肩書での出席を願うので当日はよしなにとのことであった。
うーむ、伯爵とも改めて打ち合わせをしておかないと思わぬところで意見が違ったりしたらお互いに気まずいしな…
返事の書状はしたためたが、夕餐で父上にお伺いを立ててから出すべきかな。
その日の夕方、家族一同揃っての食事の席で俺はカルフ王に呼びかけてから
「父上、わたしの帰国の際、アルスターのコノモール伯爵にひとかたならぬお世話になりました。現在レンスターにご滞在のご様子なのでお礼を申しに伺ってもよろしいでしょうか?」
「そうだの。そうするとよい、しかしだなぁミュアハよ」
「はい、なんでしょう父上」
「臣下でもあるまいし、いちいち左様な申し立ては無用じゃぞ」
父上は苦笑すると俺にそう言ってくれた。
「ありがとうございます!」
「そうよ。みゅぅくんは真面目すぎよね、そんなことじゃグランベルに行ったら、マジメクーンとか言われてからかわれちゃうよ」
エスリンは含みのある目線で兄上をじぃっと見た。
「なぁんだ、その目は」
兄上は苦笑してエスリンの肩に自分の肩を軽くぶつけた。
「だぁってぇ、キュアンったら……」
その後しばらくエスリンは士官学校時代の兄上の話を語った。
のろけ話でしたごちそうさんですーってところかな、予想よりはグランベルの社交サロン的なのはくだけてるのか爛れているのか?
レンスターひいては北部トラキアの国々はグランベルから舐められないために格式ばっているのかもしれないなぁ。
「こと口でのいくさは、古来よりおなごには勝てぬものじゃキュアン」
話がひと段落したところで父上は飲み物に手を伸ばした。
「そうですね。なぁに、夜はこれからですしこの後ねえさまに反撃ですよ兄上!わたしも早くおじうえなんて呼ばれるようになってみたいですからね」
俺がそう言うと父上はぶーっと噴き出してむせている。
ねえさまにはとっちめられました。
いやー口は災いのもと!
翌朝一番でコノモール伯爵の滞在先へ書状を届けてもらい、お互い時間を合わせて会見した。
型どおり挨拶を交わすと、お互いに細かい意見の擦り合わせを行った。
疑問に思っていることもあったのでそれも問うてみた。
「伯爵、四国会議に於いて我が兄キュアンは既に出席の経験あるでしょうか? わたしから申すのもおかしな話でありますが、まだ若輩ですし…それに先だってわたしが出席するといらぬ波紋が、わたしたち兄弟の間では無いとしても仕える者同士であるかもしれないと思い……」
「その点はご心配なく、キュアン王子
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ