暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
紅の王〜
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・」

咲がそれに向かって叫ぶ。

「何を訳のわからねぇ事を言ってやがる!アンタ・・・知ってるのか、外史を・・・!」


「ああ。私が物語の中の登場人物でしかない・・・そういうことだろう?」

「そうさ・・・アンタが作ったこの世界も、誰かが考えた世界って事さ」

咲が嫌味を混ぜて言うが、それでも茅場の笑みは消えない。

「例えそうだとしても、“自我”とやらが芽生えればただの登場人物ではなくなるのだろう?」

「・・・そこまで思春に聞いていたか・・・」

「君達を断定するのには苦労したがね。まあ、半分は勘だった訳だが」


「随分いい勘してるな・・・」

「設定を変えておかなければ二刀流は君達のどちらかに渡るだろう。ただ、それではこの物語からかけ離れる恐れがある」

「・・・」

「さて、無駄話もここまでにしておこうか」


「・・・何をする気だ?」


「簡単な話だ。私と二対一でのデュエルだ。君達が勝てばクリア・・・全てのプレイヤーを現実に帰そう。・・・当然、私の不死属性も解除する」

「へぇ・・・二人がかりでいいのかよ?」

「私は“君達”と戦いたい。・・・それ以上の理由が必要かな?」

「・・・わかった。わかりやすいのはいいね。ただ・・・俺達が勝ったらもうひとつ聞きたい事がある」

「ほう、なにかね」

「・・・簡単だよ。思春の居場所さ」

「ふ・・・いいだろう」

「待て・・・コウハ!」

「サキ・・・ダメだよ!」

キリト達が・・・麻痺でもあるに関わらず、立ち上がっていた。


「・・・これは驚いた。システムによる現象を覆すとは・・・これも人の意思の力かな」

しかし、ヒースクリフが更にウインドウを弄ると、再びキリト達は倒れる。

「ぐ・・・」

俺と咲はキリト達に近づき、話す。

「安心してよ、和人。俺は負けない勝って・・・帰らなきゃね」


「亮・・・」

「まあ・・・万が一の時は兄貴に任せるよ。シリカやサチ・・・直葉にも謝っておいて・・・」

「やめろ・・・!いくな亮!」



「サキ・・・五十嵐 咲って・・・」

「ごめんね、今まで黙ってて。・・・お姉ちゃん、わたしは約束したよね?お姉ちゃんを必ず現実に帰すって・・・」

「ダメ・・・それでサキが・・・早貴がいなくなったらわたし・・・」

「大丈夫。必ず帰ってくるから」

俺達は・・・茅場に向き直る。

「おっと・・・悪いがギャラリーには下がっていてもらえるかね?」

『『・・・!』』

「いいかな?二人とも」


「・・・亞莎、出てきてくれ」

「詠、下がってろ」

『ですが・・・!』

『でも・・・!』
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