第三章
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「安心してくれよ」
「ああ、そうか」
「けれどな」
「けれど?」
「悪いな」
俺に苦笑いと共に言って来た。
「来てくれてな」
「そんなのいいさ、お互い様だからな」
「だからか」
「友達だろ、そんなのいいよ」
俺は素直な笑みでこう返した。
「俺が困った時も助けてくれてるからな」
「だからか」
「本当に困った時はお互い様だよ」
「そうか、じゃあこの借りは返すな」
「三倍返しで頼むぜ」
「おいおい、せめて二倍にしてくれよ」
こんな話を笑いながら話しもした、俺達は二人で楽しい高校生活を過ごした。
大学も就職してからも離れ離れになった、けれどそれでも。
今もだった、少しお互いに時間があると。
「飲みに行かないか?」
「ああ、いいな」
こう電話をかけ合ってそしてだった。
一緒に飲む、そしてそこでまた笑いながら話す。
「今年も広島駄目かね」
「駄目だろ」
応援しているチームも同じだ、それで居酒屋で飲みながらカープの話もする。
「地味だよな、相変わらず」
「これは当分優勝なしか」
「折角育てた選手も阪神に供給してるしな」
「まあ阪神ならいいけれどな」
「これが巨人だとな」
断じて許せぬ、そうなることだった。
「阪神が強かったらまだいいさ」
「だよな、本当にな」
野球の話もした、そして。
俺が言おうとしたらそこでだった。
「それでかみさんのことな」
同時に向かい合って言ってしまった、それでだった。
俺は苦笑いになってツレに言った。
「おい一緒かよ」
「一緒に同じ話題かよ」
ツレも苦笑いで俺に言って来る。
「何かここでも一緒ってな」
「一緒のこと言うってな」
それがまた妙にだった、おかしくて。
「おかしいよな」
「こんなことまで波長一緒ってな」
「俺達って本当に今でもな」
「一緒だよな」
それがおかしかった、しかもこれは今だけじゃない。
他のことでもだ、このことでも笑った。
「で、かみさんに小遣い減らされてたか」
「そうだよ、子供の養育費にあてるって言ってな」
「こっちのかみさんも御前のかみさんも厳しいな」
「かみさんは厳しいよ」
このこともお互い様だった。
「何かっていうと怒るしな」
「結婚した時は俺一筋だったのにな」
「子供出来たらそっち一筋でな」
「やれ部屋を掃除しろ酒は控えろ早く寝ろってな」
「嫁っていうよりお袋だよ」
「だよな、何でかみさんまで一緒なんだよ」
「同じこと言われるんだろうな」
俺達は苦笑いで話す、そうした話をしてだった。
今も楽しく話した、俺達は昔も一緒で今も一緒だ、これからも一緒にいたいと思い合いながら酒も
楽しんだ。
じょ^ーじょーゆーじょー 完
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