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美少女超人キン肉マンルージュ
第2試合
【第2試合】 VSノワールプペ(7)
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…さっきまで虫の息であったションベンガキ超人が、なぜだか今は活気と気力に満ち溢れた顔をしている……どうなっておるのだ? まったくもって理解不能な事態だ」

 マリは落ちついた、とても静かな声で、真・悪魔将軍プペに言葉を返す。

「あなたがキン肉マンルージュを追い詰めるために行った、地獄のメリーゴーラウンドによる追尾、追跡。確かにこれは、キン肉マンルージュの体力を極限まで削り、肉体的にも精神的にも、追い詰めに追い詰めたわ。そして与えられたダメージも甚大だわ。でも……」

「でも、なんだ? 答えろ! マリよ!」

 真・悪魔将軍プペはマリに向かって凄んでみせるが、マリは眉ひとつ動かさずに説明を続ける。

「でも、キン肉マンルージュはあなたから逃げきったわ。最後まで逃げおおせた」

「余から逃げっきた? 逃げおおせた? 馬鹿なことを言うものではないな、マリよ! 余は、わざとションベンガキ超人に追いつかず、あくまで付かず離れずで、背後からプレッシャーを掛け続けていたのだ!」

 マリは小さく顔を振った。

「いいえ、違わないわ。 最初のうちは確かに、キン肉マンルージュを追いまわしながら、追いかける速度を調整していたのでしょう。でも途中から、あなたは本気を出してキン肉マンルージュを追い掛けていた。違うかしら?」

 真・悪魔将軍プペは、わざと強く、会場中に聞こえるような舌打ちをした。

「……確かに、そうだ……」

「真・悪魔将軍プペ、キン肉マンルージュはあなたに追い掛けられていたあいだじゅう、必死になって不慣れなマッスルアフェクションのコントロールをしていたの。命を削りながら、必死になって、懸命になって、ひたむきに、一生懸命に、マッスルアフェクションをコントロールし続けたの。そしてその結果、キン肉マンルージュは知ることができたの、マッスルアフェクションで肉体を操作する秘訣を。そして修得したのよ、マッスルアフェクションをコントロールするすべを」

「それでは、何か?……余はションベンガキ超人を追い詰めていたつもりが、その実、こやつを成長させてしまったと……」

 ミーノは呆然としながら、頬を濡らしている涙を拭うことも忘れてしまうほどに、マリと真・悪魔将軍プペの会話に聞き入っていた。

「通常は数十年とかかるマッスルアフェクションの修得を、キン肉マンルージュ様は真・悪魔将軍プペから逃れることで……一気になし得てしまったのですぅ……そして真・悪魔将軍プペはキン肉マンルージュ様を追い込んでいるつもりが、逆にマッスルアフェクションの修得を超飛躍的に早めてしまった……マリ様はこうなることがわかっていたから、あんなにも冷静でいられたのですぅ?」

 マリは違うとばかりに顔を振り、そしてミーノに優しく微笑みかけた。


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