第三話「やはり俺はカミトポジションか」
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に座り込んだクレアの姿があった。
左手に目を向けると、手の甲には交差する二本の剣の紋様がある。精霊契約の証、精霊刻印だ。
どうやら無事に契約できたみたいだな……。
ホッと一息つくと、いつの間にか目の前まで移動していたクレアがジッと俺の顔を見つめていることに気がついた。
「――どうしてよ」
「ん?」
「どうして、男のアンタが精霊と契約できるのよ!」
俺はそれには答えず、スッと視線を横にずらした。クレアが眉を吊り上げキッと俺を睨みつける。
「あ、あたしの剣精霊は?」
「あー、すまんな。見ていた通り、俺が契約してしまった」
ほれ、と左手に刻まれた契約刻印を見せると、愕然とした表情で口をぱくぱくさせた。もはや言葉も出ないのだろう。
まあ、当然の反応か。歴史上、男の精霊使いは一人しか確認されていない。原作ではあと一人、カゼハヤ・カミトがいるのだが、なぜかこの世界には居らず、本来ならカミトと契約するエストも俺が契約してしまった。これから分かることは、やはり――、
取りあえず、ここから去ろうと踵を返した時だった。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
背後からの声に足を止め振り返る。クレアは顔を真っ赤に染めて拳をプルプル震わせていた。
「あ、あんた、どうしてくれるのよ……。あたしの契約精霊奪った責任、取りなさいよね!」
ああ、やはりこうなったか……。
クレアはビシッと俺に指を突きつけ高らかに言った。
「あんた、今日からあたしの契約精霊になりなさいっ!」
――爺さん、どうやら俺、カミトポジションのようです。
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