第67話 =協力=
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た。
「これ、資金の足しにしてくれ」
突然キリトウィンドウを開いて大きな皮袋をオブジェクト化させる。銀色の硬貨がたくさん見れることからどうやらキリトは自分の財産を渡すつもりらしい。それを受け取ったアリシャさんはその重さゆえに一瞬ふらついて両腕で袋を抱えなおすとその中身を見て眼を丸くしていた。
「……さ、サクヤちゃん…これ……」
「ん?………10万ユルドミスリル貨!?…しかも、これ全部…!?」
サクヤさんが言った金額にリーファ、サウス、そして側近の方々も「ありえない」といわんばかりに驚いている。財産といってもキリトが渡したのは全財産、アスナの分も合わせた分らしい。
「これだけ稼ぐにはヨツンへイムで邪神クラスをキャンプ狩りでもしない限り不可能だと思うがな……いいのか?一等地にちょっとした城が建つぞ?」
「構わない、俺には必要ない」
名残も何も無さそうにさらりとキリトは頷く。…今更だけど俺も渡した方がよかったのか、とちょっと思い始めた。結婚していたキリトよりかは少ないもののまぁ結構持っているはず。そんな俺のことは気にせず再び袋の中を見た2人はほぅと嘆息してから顔を上げた。
「…これだけあれば、かなり目標金額に近づけると思うヨー!」
「大至急装備をそろえて、準備が出来たら連絡させてもらおう」
「よろしく頼む」
キリトの言葉を聞いたあとサクヤさんが自分のウィンドウにその大金を格納する。続きは帰ってからということでてきぱきと椅子と机が片付けられていくのを見ていると、再びサクヤさんたちがこちらに振り向いた。
「何から何まで役に立ったな。君の希望に極力添えるように努力することを約束するよ」
そういって手を伸ばしてくる。
「役に立てたならうれしいよ」
「逆に俺たちも助けられたよ。ありがとう」
「連絡待ってるわ」
「…頑張ってください?」
サウスはちょっと気まずくなりそうだったが各々固く握手をした。こうしてケットシー領主は意味ありげなウィンクを残しながら夕日のある西へと飛んで行った。
――――――――
「まったくもう、浮気は駄目って言ったです。パパもにぃも!」
「「なっ!?」」
憤慨したような声とともにユイが飛び出して、思わず声を上げてしまう呼ばれた俺たち。どうやら俺たちが領主さんにくっつかれたときドキドキしてたのがいけないらしい。いかにも怒ってます、といわんばかりに頬を膨らませるがそこが可愛いなと思ってしまうのは仕方が無いことだと思う。
サウスにもリーファと同じ説明をして納得してくれてすでに2人の自己紹介はすんでいる。
「男だから仕方ないんだよ!」
「そーだそーだ、男だから逃げられないんだよ、これからは」
キリトに続
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