アインクラッド編
鍛冶屋の少女
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と、リズが分かりやすくしかめっ面になる。
「あっちでかったーいパン頂いたわよ。こんなことなら自分で持ってきたら良かった」
「じゃあ、こっちの料理少し渡そうか?」
言いながらバスケットに大量に作ってきたサンドイッチを適当に皿に移す。
「いいの? あんたらの分減っちゃうでしょ?」
「サチも作ってきてくれてたから余ってるくらいだ。気にしなくていい」
「へー、サチさんも料理するんだ!」
「サチでいいよ。私もリズって呼ぶから。まあ、ギルドのみんなの分作ってるだけだから味は自信ないけど」
照れくさそうに笑うサチの横でダッカーがなぜか誇らしげな顔をする。
「いやいや、うちのシェフの料理はおいしいぞ。アスカにも負けない腕前だ」
「本当に!? そりゃ期待が高まるわね!!」
勝手にハードルを上げるダッカー。
リズベットが皿に山盛り積まれたサンドイッチの中からサチが作った物を手に取る。
「じゃあ、さっそく頂いてみましょうか・・・・」
パクリ、とリズベットがサンドイッチを頬張り、途端、目を輝かせた。
「うわっ! おいしい!」
「そう? 口にあったならよかった」
「うわー・・・・攻略組に参加しててそれでいて女子力まで高いとか羨ましいわー・・・・」
いいなー、とリズが溜息を零す。
その姿に少しにやけたダッカーが割って入る。
「だいじょうぶ、だいじょーぶ。リズ殿も鍛冶屋としてハンマーを振る様は大変おと――――女らしいですよ」
どこが大丈夫なのか? と全員の疑問がシンクロした。
リズベットが目を細める。
「・・・・・・ダッカー、だっけ? あんただけ次から研磨倍額ね」
「そんなあっ!? 褒めたのに!?」
悲痛な叫び声に続いて全員の笑い声が安全地帯に木霊した。
「あたしは仕事があるから、そっちも頑張りなさいよ〜」
と、言ってサンドイッチ山盛り皿片手に去っていったリズを見送りっているとケイタが口を開く。
「鍛冶屋の女の子ってめずらしいのに、攻略組相手に商売できるってことは熟練度も相当高いんだよね?」
「ああ。多分、ここにいる鍛冶屋の中でも1、2番狙えると思う」
「凄いなー」
「・・・・そんなに素晴らしい腕の持ち主なら女の子らしさなんて気にする必要ないんじゃ・・・・」
先ほど倍額宣告を受けたダッカーが恨めしそうに言う。
「あれはダッカーが悪いよ・・・・女の子に失礼すぎ」
「はい、すいません・・・・」
めっ、と指を立てるサチ。
その横の女子、キリトはどうやらサチとは異なる意見のようで、
「別にこっちの世界じゃ熟練度だけで料理作れるから気にしなくてもいいだろ・・・・」
と、小さな声でつぶやく。
それはあまりにも26層ボス戦の後
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