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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
鍛冶屋の少女
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撃は無理だ、という重量武器組が側面から渾身の力で最大威力のソードスキルを叩き込む、という役割分担だ。
当然側面組が一番武器の耐久値減少が激しいが、軽量武器に比べれば重量武器は耐久値が基本的に高く設定されてある。

とはいえ、2時間の戦闘で余裕な状態の者もいないようで、10人近くの鍛冶屋が急ピッチで研磨作業に勤しんでいる。
アスカとキリトが2人だけ先に昼食を食べているのは、2人だけほとんど頭部への攻撃に失敗しなかったので、武器の耐久値に問題がないからだ。

かなり失敗してしまった〈月夜の黒猫団〉の面々は我先にと鍛冶屋の元へと向かっていっている。

しかしながら、2人の成功率が高くなるのは当然なのだ。
単純に体躯が数倍なのだから、クリティカルポイントの幅も数倍に広がっている。
むしろ、フィールドで研鑽を積んだ2人なら全段命中も不可能ではない、と踏んでいたが、

「あれはクラインの刀でも厳しいだろ」
「ああ。〈刀スキル〉も上方向に放てる技は少ないはずだ」

ボスの頭への攻撃担当だった2人が揃う。

「まさか・・・・頭の高さが2メートル超えてるってのはな・・・・」
「・・・・俺もそんなこと気にしていなくて聞くの忘れてた・・・・悪い」

「誰もそんなこと予想してないから仕方ないって」と、苦笑しながらキリトがもう1つサンドイッチを口に入れた。

そう。全長15メートル越えのボスの頭部がアスカ達の背丈より上に存在するのだ。
そのせいで、上方向へと軌道変更が可能なソードスキルしか使えない。
感覚的にしか仰角が変更できない突進技ソードスキルが使えないのが一番痛い。
少しでも距離を取ってしまったら反撃する時間が足りなくなってしまうのだ。

アスカは偵察隊からの報告の時に、かなりデカいな、程度の感想しか頭に出ていなかったことが悔やまれる。
よもや、頭が高すぎて攻撃が難しい、なんて考えもしなかった。
今回のボス戦の指揮担当は〈聖竜連合〉なので、このことを懸念しなかったのはそちらが悪いと言えなくもないが、自分が気づけなかったことに歯がゆくなることに変わりない。

「まあ、事前に聞いてたからって対策ができたことでもないから気にしなくていいだろ。長期戦になることは覚悟してたことだし」

少し慰められているようだが、キリトの言うとおり今更アスカが気にしていても遅い。
すでに戦闘が始まっているのだ。
そこはバッサリと諦めて戦闘に集中する方が最善の選択だろう。

「そうだな」
「というわけで、今はサンドイッチを食べて元気を付けよう」
「・・・・・・みんなの分も考えて食べろよ」

一応釘を刺しておく。
そして、パクリ、ともう一度2人揃ってサンドイッチを頬張った。



15分もしたら〈月夜の黒猫団〉の面々
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