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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
連鎖する不幸福
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る感じがして気にくわない。
凜の祈りも、私の覚悟も、チラシの裏に書いた落書きと見なされているのかもしれない。
………我ながら自意識過剰だな。
別段八雲紫が何を思って私を幻想郷に導いたかなんて、どうでもいいことだろうに。
もし何か打算があってのことだというのなら、それもよかろう。
ならばこちらも利用してやればいいだけの話だからだ。
「面白くない答えですね。じゃあ次。貴方は幻想郷で何がしたいかと言った目的意識はおありで?」
「目的、か。ここに来る前にとある少女と約束をした。それを全力で成し遂げるつもりだ」
「ほうほう。その彼女とは、恋人で?」
「違う。パートナーだなんて陳腐な言葉では表せられない、もっと密接な関係だよ」
どの時間軸でも、私は常に凜に助けられてきた。
それは衛宮士郎として、または英霊エミヤとして。
どんな結果に行き着くことになろうとも、遠坂凜という少女は、衛宮士郎の人生においてなくてはならない存在だった。
そんな存在を、既存の概念に当てはめるというのなら、それは運命共同体という言葉が一番しっくり来る。
「むぅ。上手くはぐらかされた感がありますが、いいでしょう。では、その少女の約束とは?」
一瞬言うべきか迷ったが、他人からすれば些末な祈り。
口を閉ざし、別の問いを掛けられるよりは素直に答えるべきだろう。
「………幸せになれ、そう言われたんだ」
「幸せ、ですか」
「そうだ。大したことないだろう?」
そう、所詮他人からすれば些細な祈り。
私にとってどれだけ尊い祈りであろうとも、見る者次第では路上の小石程度に価値は落ちる。
主観は決して客観と交わることはない。
多種多様の観測方法がある以上、交わるとするならばそれはただの偶然でしかない。
だから必然的に記事というものは、主観による解釈を綴っただけの書き殴りの作文にしかならない。いや、なれないのだ。
本来、絶対的な正しさを綴るべきなのに、真実を読み取る力を読者に求めそれが敵わなければ自己責任。
私とて、それが限りなく困難なことは承知している。
だが、その事実に胡座をかき何をしていいことにはならない。
真実を追究する義務を盾に人権を無視した行動に出ることも愚の骨頂。
彼女もそのひとり、と断定はしない。
だが、前例がある以上簡単に心を許す気はない。
だからこそ、こうして自分がつまらない奴だと認識させることで、早々にお帰り願おうという作戦に出たのだが、さて。
「―――じゃあ、私個人で一番気になっていることを、聞かせていただきます」
「出来ればそれで最後にしてもらいたいのだが」
「ええ、そうですね。私情を挟んだ時点で記者としての立場はもう捨てたも同然。貴方からはこれ以上有益な話を聞き出せそうにあ
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