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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
連鎖する不幸福
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で使い続けることのできる代物で、長時間文字を書き続けても手が疲れない仕組みになっているとされている」

こういう便利な備品は、凜があの性格ということもあり新作が出る度に何度も造らされた経緯がある。
それこそ、宝具を投影して売り払うなんて発想をする彼女が、こんな身近な要素に目を付けない訳がない。

「おおー!有り難うございます神様仏様―――えと、そういえば」

「―――ああ、すまない。私としたことが自己紹介がまだだったな。私はエミヤシロウだ」

「エミヤシロウ様ー!ありがとうございますー!」

相変わらずのオーバーリアクションで感謝の意を示す射命丸文。
その様子を見て、今度はどこぞの冬木の虎を幻視してしまうほどであった。

「あ、でもこれが貴方の言う通りの性能を発揮するかは別問題なので、保留という意味も込めて話だけは伺わせていただきますね」

何という強かさ。何という欲深さ。
これは、選択肢を間違えた瞬間一滴残らずナニかを搾取されてしまう。

「………なら、その判断の後は私に宣言しに来い。この誓いを破ればキツいお仕置きをしなければならなくなる」

「キツいお仕置きですって!どうせ酷いことするんでしょう?エロ同人みたいに!」

「いや、しないが」

「えー、そこはノる所じゃないですかー」

「ノリでセクハラ宣言できるほど軽い性格はしていない」

自分のペースで煙に撒こうとするその話術、いや彼女の性質と言うべきか。なんとも扱いづらい。
悪いことではないのだが、振り回される身にもなって欲しい。

「空気を読むのも甲斐性のひとつですよー?」

「―――甲斐性があれば、私はここにはいないさ」

どこまでも甲斐性なしで、自分勝手な我欲を貫いたからこそ、英霊エミヤは誕生したのだ。
なればこそ、絞りカスとはいえ私自身も甲斐性なしだというのは当然の帰結といえよう。

「………?まぁ、いいです。このままだと埒があきませんしね」

手帳を開き、話を聞く体勢を整える。
この切り替えの良さ、見習うべきか唾棄すべきか。

「ということで、質問一つ目!幻想郷に来た経緯は?」

「次元の狭間のようなものに引き込まれて、今に至る」

「次元の狭間―――ああ、八雲紫の仕業ですか。相変わらずですね」

八雲紫。その名前は慧音との会話の際に出てきたものと同じものだ。
曰く幻想郷の創始者にして、幻想郷最強の妖怪。
そんな大物が、私に干渉した理由は?
相変わらず、という言葉を聞く限り、私のような被害者は尽きないのかもしれない。
つまり、八雲紫の気まぐれで私は今ここにいるのかもしれない。そう思うと、複雑な気分だ。
私にとっては奇跡のような体験も、八雲紫にとっては児戯だったのかと思うと、見下されてい
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