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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
連鎖する不幸福
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方のことは椛―――ああ、貴方の言うところの白狼天狗です。彼女の件の段階で興味を持ったんですよ。幻想郷で椛を圧倒する実力者でありながら、男という記号を持つ存在を私は知らない。いえ、私だけに限らず殆どの人は知らないでしょう。だって、貴方は間違いなく外来人なんですから。そうでなければ、この私、射命丸文の目をかいくぐるなんて不可能だからです!」

ビシィ!とペンを指代わりに私に突きつける。
鬼の首を取ったようなドヤ顔に、私はどう反応するべきなのだろう。

「―――まぁ、悪用しないのならば構わないが。だが、出来れば記事にするのはやめてくれ」

「あや、どうしてですか?」

「別にそこまで隠れているつもりはないが、だからといって目立つ理由にはならない。客寄せパンダよろしく、外を歩けば注目されるような事態は極力避けたいんだ」

「………その格好でいいますか?それ」

「………言わないでくれ」

早苗のチョイスという理由で今も着込んでいる、赤を基調とした近代的なファッション。
それはあまりにもこの世界観には不釣り合いで、目を引くなという方が無茶なのはわかっているつもりだ。

「取り敢えず、先の外套を羽織ったら如何です?」

「そうだな。そうさせてもらう」

ジャケットの上からと言うのは流石にどうかと思ったので、入れ替えるように着替える。

「………これはこれで変態さんっぽいですね」

「私もそう思った。―――すまないが、少し待っててくれ」

今の私の姿は、外套の下は上半裸という逮捕確定かつ控訴も辞さない状態だ。
………今にして思えば、シャツのひとつでも着ればいいのに、なんで早苗の言いつけを完全に守っていたんだろう。
黒のシャツを投影、即座に着込む。
改めて振り返ると、射命丸文と名乗った少女は目をぱちくりさせていた。

「今、シャツをどこから出したんですか?」

「出していない。造ったんだ」

「造るって、あの一瞬でですか?」

「嘘を吐く理由はないと思うが。寧ろ隠すならむしろ造る能力の方だろうに」

「確かに、そうですね………。あ、あの。ではものは試しに、この私めの為にペンを造ってもらえないでしょうか?それも外の世界の技術で造られた奴を」

へへー、と仰々しく上げた両手と共に頭を下げる。

「別に構わないが、なら記事にするのをやめてくれ」

「それは結果次第ということで」

これは、それなりのスペックのものを用意しないといけなさそうだな。

「では。―――投影、開始」

某会社のペンを数本投影する。

「取り敢えずこの万年筆を。何が凄いのかはわからないが、圧倒的シェアを誇るとされているものだ。それに、これはシャープペンシルというインクの代わりに専用の芯を挿入すること
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