6話
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ロスベルの状況を、警察から見るというのはきっと政治家になれば役に立つ経験になるはず。
すぐに今年の警察官の採用予定と試験内容を確認すると筆記試験と面接のみだった。
この内容なら行けるとすぐさま採用試験に応募して、内容は基礎学力程度で専門的な分野などはほとんど出てこず留学中に学んだことが出てきて簡単に答えがわかった。
さらに銃の取り扱いも趣味でやってる導力銃があるので問題にされず、最後の関門は面接だった。現市長の孫娘が警察官だといろいろと面倒に思われるはず。
実際、面接官たちの態度は予想通りだった。どう扱ったら良いものか持て余している様子が見て取れた。
面接はとにかく志望動機はクロスベルを守りたい、市民の役に立ちたいと言い募った。
市長の孫娘が危険だとか問題になる、試験は満点なのだから別の安全な仕事があるだろうとお節介にも紹介してきたが、自分の意思でそれも覚悟の上ですと言うと面接官は筆記試験満点の志望者を落とすのは問題になると話しており、これで政治的な圧力がなければ合格のはず。
だから周囲の人たちには採用試験を受けたことさえ言わなかった。そして合格通知が来て、周囲に事情を話すと予想通り大反対された。
「なぜ才能を無駄にするの?わたくしと働くべきよ」「まさか事務所に入らず警察に入るなんて驚いたよ。でもそれが本当にやりたいことなのかい」
こういった感じで言われるのはわかっていた。しかしこれは自分がクロスベルを見極めるために腐敗してると批判されているなら、警察に入ってなぜそうなのか、なぜ出来ないのかを知りたかったからだ。
政治家になるのに役に立つと説明するとみんなしぶしぶ納得してくれた。
(歪みに直面すれば私はまた無力感に襲われるのだろうか。途方に暮れてしまうのだろうか。それを確かめるだけでも意味があるはず)
合格通知が届き所属が記されていた。
エリィ・マクダエルの配属先はクロスベル警察特務支援課。
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