第二十三話
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んな高価なものはありませんでしたよ? それに、この品々はこの像にぴったり合いそうなサイズに見えるんですが?」
「こんな場所で誰の目にも触れずにいるなら、おれが有効活用したほうが世の為ってやつですよ。モノは使われてナンボって騎士さんは思いませんかい?」
「あなたと議論する気は無い。 さっさと元あったようにこの像に納めなさい」
俺は剣を抜くとコルホに向けた。
彼は散々愚痴をこぼして女神像に装身具や両の目を戻していった。
全然アイツには似ては居ないけれど、女神の像だしな…
「わたしは信心深いほうじゃ無いんですけれどね、一生懸命作った人の気持ちを踏みにじるような行為が目の前で行われたら見過ごせません」
「…ガキのくせに偉そうに……」
(そのガキに命を助けてもらい、いまは命も握られてるくせにふざけんなよコイツ)
「言いたいことはそれだけですね、では出発の準備が整ったら帰り道を探しましょう」
俺は水で腹を満たすのを避け、水筒に残っていた水だけを飲み、ここの水を水筒に詰めた。
コルホを黙って見ていればこの水が安全かどうかわかるからな。
それからの道で衣をまとった骸骨兵が2体現れた。
コルホはその場で固まってしまったわけではなく、見てるだけしか出来ないくらいだったが魔物からの精神干渉には耐えられるようだ。
屍人から逃げてきたのだし、そういうことなのか。
俺が攻撃をしようと間合いに入ろうとした刹那、邪な気とでも言うのであろう衝撃が俺を襲った。
予期をしていれば又違ったであろうが思わず転びそうになり、槍を取り落としてしまった。
しかし痛みのようなものはほとんど無かったので無理やり間合いを詰め、剣で切り伏せた。
敵を退け気が付くと女神像があったのだが、その傍らには長持があった。
コルホを制したが、見るだけと言うので許すと中には銀色に輝く弓が入っていた。
持っていきたいというこいつを制し、魔物の遺骸を埋葬し祈りを捧げると俺達は迷いの森をさ迷い続けた。
手がかりは太陽くらいであろうか。
なんとか方角を定め、進んでいく
「進んだところで、同じところをぐるぐる回ってばかりじゃないですかい、休みましょうや」
「休めば状況が好転するのならそうしましょう。しかし、迷いの森に捜索隊など送り込んでくるとも思えない。体がまだ動くうちに何か手がかりでも掴まないと。今夜もここで野宿では体がもちませんよ」
「今夜が来る前に死んじまったらどうするんですかい、また化け物が出たらどうするんです」
「化け物はわたしが倒しましょう。死んだら死後の世界ってやつがあるのか無いのか確かめることが出来る良い機会になりますよ」
「……」
「わかりました。少し休んでそれからまた出発しましょう」
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