第二十三話
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さい。働きによっては開発したその土地があなたのものにもなるでしょう」
「そ…そうですかい、そりゃありがたい…」
…心底迷惑そうなツラしてんな、こいつは地道な作業とか嫌いな手合いだな。
さっきの埋葬手伝いも全く役に立たなかったしな。
コルホの信用度が下がった。
「では、レンスターへ戻ります。道は覚えてます? わたしは夢中で追いかけてきたのでコルホさんの記憶が頼りなんです」
「そ、そうですかい。まぁ、草の踏んだ後とか木の枝ぶりとか見ていきゃいいんじゃないですかい」
「なるほど。そうですね。では帰りましょう」
この森に入り、コルホと出会い屍人に出くわしたのは30分とかかってなかったはずだ。
屍人の埋葬に2時間くらいかかったとして、それから出発してどれくらい経ったことか。
早朝に突入作戦が行われたが、もう夕暮れが木々の隙間から見えた。
迷いの森はやはりその名の通りであった。
仕方なく、野宿の用意をするぞとコルホに呼びかけ夜露を凌げそうな場所を探し出し、そこに腰を落ち着けた。
俺は持っていた最後の干し肉を半分彼に渡すと、自分のぶんをゆっくりと噛みはじめた。
俺の渡したぶんをすぐに食べつくしたコルホは恨めしそうに俺の食べかけの干し肉に目を向ける。
その視線に負けた訳ではないが、食べかけの干し肉の噛んで無い部分をナイフで切るとコルホにあげた。
「ありがてぇ」
このときばかりは率直に素直な謝意を彼は示した。
その後、腹が減っただのちくしょぅだの言いながらもやがてコルホはいびきをかきはじめたので俺も目を瞑った。
目が覚めた。
コルホの姿を確認すると奴の姿がない。
ロープはほどかれていた。
やられた!
幸い剣や槍に背負い袋などの荷物には手をつけられていなかったのですぐにまとめてコルホを探しに向かった。
どれくらいの時間が過ぎたかわからないが水の跳ねるような音がしたのでそちらに向かうと泉があり、
奴はそこで水をごくごく飲んだり水浴びしたりをしていた。
「さがしましたよ…コルホさん」
「あ、いえ、騎士さん、おれはこの泉の手がかりを掴んだけれどロープに繋がったままじゃ探しにいけないし、すぐに知らせに行こうと思ったんですよ。ホントです」
「……いいでしょう。そういうことにしますから、また繋ぎますよ」
泉の横にはなにやら女神像らしきものがあった。
どうにも違和感があったのでよく見てみると女神像に左右対称で付くと思わしき装身具の一部が片方しか無かったり、目の部分には宝石でも入っていたであろう穴が穿たれていた。
コルホが泉の側に脱ぎ散らかしてある服から、黄金色の輝きがいくつか目に入った。
俺はそれを手に取り問いただす
「昨日の持ち物検査ではこ
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