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剣の丘に花は咲く 
第六章 贖罪の炎赤石
第七話 贖罪
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、新たに現れた影は、息も絶え絶えの様子でありながら悪態をついたロングビルに、ため息混じりの声を返した。

「はは……ハハハハハハッ!! お前は! お前は! ハハハハハハッ! こんなところにいたのか!! 探したぞ! ああ! 間違いない! この温度はコルベール! お前だ!」
「わたしは会いたくはありませんでしたけどね」

 影はロングビルの前まで歩くと、メンヌヴィルに身体を向けた。

「何だ! どうしてお前がこんなところにいるんだ隊長殿!? まさかとは思うが教師をしていたりしていないだろうな!?」
「そのまさかですよ……あなたは相変わらずのようですね」 

 膝を着くロングビルの前に、盾のように立つのは、炎に照らされ、メガネ……と広いデコを光らせるコルベールだった。










 因縁ある元部下を前にして、コルベールはチラリと横目で背後にいるロングビルの姿を見ると、食堂に突入する直前にした会話を思い出した。
 ロングビルとコルベールがメンヌヴィルを、アニエスたちは残りの傭兵を相手をすると決めると、アニエスたちは直ぐに食堂に向かったが、ロングビルは直ぐには動かなかった。周りから人がいなくなると、ロングビルは隣に立つコルベールに話しかけた。

「……あんたが動かなくても、あたしは一人でも奴と戦うからね」
「っ! それは無茶だ!」
「わかってるよ。……でもやらなくちゃいけない。例えあんたがそこから動かなくてもね」

 壁を背に動かないコルベールに背を向けるロングビルに、ふらふらと揺れる小さな声が掛けられた。

「……シロウくんは、一体何故こんなわたしを……わたしがどんな人間なのか知っている理由ではないだろうに」
「……知っているよシロウは……あたしが教えたからね」
「えっ?」

 石のように動かなかったコルベールの顔が、勢い良くロングビルに向けられる。

「な、何を?」
「『魔法研究実験小隊』」
「っ!!?」

 コルベールの身体が跳ねる。
 ロングビルから飛び離れたコルベールの目は、恐怖で揺れていた。

「そこの隊長だったんだろあんたは……そこで随分とまあ、派手なことをしていたようだね」
「な、何故? どうして?」
「蛇の道は蛇と言うだろ」
「き、君は一体」

 肩を竦めてみせるロングビルを、正体不明の化物でも見るかのようにコルベールは怯えた表情で見つめていた。

「……シロウはね、それを知っても考えを変えなかったよ」
「え?」
「言ってたよシロウは……学院で一番警戒していたのはあんただったってね」
「? 警戒? シロウくんが? わたしを?」

 コルベールの顔に浮かんでいた恐怖の色は、ロングビルが口にした予想外の言葉により生まれた困惑に塗りつぶされ
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