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異世界からチートな常識人が来るそうですよ(タイトル詐欺)
第十二話 七巻でたぜ! もう読んだぜ! 色々予定が潰れたぜ!
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―――境界壁の展望台・"サウザンドアイズ"支店。
白夜叉は来賓席の中央に陣取り、両肘をテーブルに載せこの上なく真剣な声音で、
「それでは第一回、黒ウサギの衣装をエロ可愛くする会議を」
「始めません」
「始めます」
「始めませんっ!」
「始めないのっ!?」
「黙らっしゃい! このお馬鹿様!!」
スパーン! 白夜叉の提案に悪乗りする十六夜。速攻で断じる黒ウサギ。驚愕する証。突っ込む黒ウサギ。
▽
「ふむ、では何故その隠語がネズミ取りの男なのだ?」
「グリム童話の道化師が、ネズミを操る道化師とされるからです」
白夜叉の質問に滔々と答えるジン、その隣で静かに息をのむ飛鳥。
(ネズミを操る道化師………ですって……?)
先ほどの襲撃が飛鳥の脳裏に掠める。そう言えば襲われた際不協和音のような笛の音を聞いたことを思い出した。
一方の黒ウサギは、ジンに向かって意外そうな声をかけた。
「けど驚きました。ジン坊ちゃん、どこでハーメルンの笛吹き"を知ったのです?」
「べ、別に。十六夜さんに地下の書庫を案内してる時に、ちょっとだけ目に入って………」
「ふむ、そうか。何にせよ情報としては有益なものだったぞ。しかしゲームを勝ち抜かれてしまったのはやや問題ありだの。サンドラの顔に泥を塗らぬよう監視を付けておくが―――万一の際は、おんしらの出番だ。頼むぞ」
?ノーネーム"一同は頷いて返す。しかし飛鳥だけは不安の影が胸中で渦巻いていた。
膝の上ですやすやと寝息を立てている、とんがり帽子の幼い精霊。彼女もまた自らの出身をラッテンフェンガー"だと語っていた。
しかし、彼女はそんな邪悪なものには思えなかった。ネズミを操る何者かに襲われたことを知っている証に目を向けると、勝ってきていた菓子を食いながら羊皮紙に書かれている参加条件を見ていた。
少々呆れながらもその証に尋ねようとする。
「あ、あの証k「なあ、春日部さん明日参加するっていうギフトゲーム、俺も参加させてくんない?」
「………? どうして?」
「いや、俺も最近ギフトゲームに出られていなかったし、もし嫌なら突っ立っているだけでもいいからさ」
耀は暫く黙っていたが、やがて頷いた。
「うん、見てるだけならいいよ」
「流石に戦うのはダメか?」
「ダメ。証が出ると派手に暴れる」
「そうだな、サポートが目立ったら不味いだろ、特にお前は戦い方が目立つからな」
「十六夜には言われたくないな、時計塔壊したんだろ? そんな事までしないぞ俺は」
渋面を作る証と、ヤハハと笑う十六夜。次々に貴賓室を後にして行くが、最後に飛鳥と証は残る。
「あの、証くん……」
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