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吊るし人
第四章
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それに?」
「吊るし人は人間そのものなのよ」
「人間そのものですか」
「前は言わなかったけれど」
 だがそれでもだというのだ。
「人間そのものなのよ」
「人間ってああして縛られて吊るされたりするんですか」
「今貴女は思った通りの展開じゃなくて疲れてもいるわね」
「はい」
「けれど最後まで嫌じゃない」
「嫌ではなです」
 晴れてもいないが暗くもない顔での言葉だ。
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