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ラ=ボエーム
第三幕その二
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。私を避けているのよ」
「そんな筈がないよ」
 だがマルチェッロはそれを否定した。
「あいつはそんな奴じゃない」
「そうだよ。それはきっと君の勘違いさ」 
 ショナールも言った。
「僕達の中じゃ一番気のいい奴なんだから」
「けれど」
 だがミミの言葉には真摯さがあった。
「本当に。冷たいのよ。昨夜だって何も言わずに部屋を出て」
「ここで飲んでいたってわけか」
「そうなの。ここで」
「何ともなかったようにも見えたがな」
「いや、そう言われてみれば少しおかしかったな」
 ショナールはコルリーネにこう言った。
「何かを必死に忘れようとしているみたいだった」
「じゃあそれは一体何なんだ」
「そこまではわからないが」
 ショナールはこう言って首を横に振った。
「何なんだろうな」
「よかったら話してくれないか、ミミ」
 マルチェッロはあえて優しい声でミミに尋ねた。

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