第六章
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「そうですね。けれど折角坂田さんの目が完治したんやし」
医者もこう言うのだった。
「今日はそうしたいですわ」
「ほなご隠居の家でやらせてもらおか」
坂田自身も笑顔で将棋を打つ。穴熊囲いをしている医者の守りを一枚、また一枚と剥がして攻めている。
「今日は」
「ああ、あんたはやっぱり将棋や」
隠居も笑顔で坂田に言う。
「将棋一筋でとことんやってもらわんとな」
「わしやないな」
「そやからこれからも打とうな」
「そうさせてもらいますわ」
将棋のその駒を手に取り盤にぱん、と置いた。その音は心地よく店の中に響き坂田も皆もその音を気持ちよく聞いたのだった。
将棋馬鹿一代 完
2012・11・2
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