夏の終わり
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」
「はい?」
「イギリスのヴィクトリア・ウィンザー第1王女が急遽帰国を決めたそうだ」
「はい!?」
「理由は不明だが、何か嫌な予感がするから君に知らせてくれと、ゼヴィアさんからだ」
た、確かにこういう急な何かがある時は私も嫌な予感がしますが……
でもウィンザー様が帰国って、余程のことがない限り最後まで物事には付き合う人だと思ってましたけど、一体何が……そこまで重要な何かがイギリスで起こったんでしょうか?
夏の終わりまで後一週間だと言うのに、空は暗雲とそれを分けるように綺麗な日差しが降り注いでいて海に暗い部分と明るい部分を作り出しています。変な空、ですね。
――◇――◇――◇――◇――◇――◇――◇――◇――◇――◇――◇――◇――
8月22日、英国カーニングスビー空軍基地。
国内でもタイフーン戦闘機を運用する第3、第11飛行隊や、 第121遠征航空団の本拠地であり、ISが実戦配備されてからもISと共同で防空任務を務めている現役の空軍基地だ。
当然詰めているのはIS操縦者も含めて防空と言う任務の特性上精鋭が配備されている。
その基地が大きなサイレンで緊急事態を伝えていた。
極秘に極秘を重ね作られた地下のIS開発工房。防空任務ということで多くの人を自然に増員できるここは正に絶好の隠れ蓑……だったはずだった。それが今、襲撃を受けていた。
「おい……」
「…………」
それも………
「おいっつってんだろM(エム)!」
「うるさい、オータム」
たった一機のISと小さな少女によって……
短い短髪に黒い瞳、誰が見てもアジア人のM(エム)と呼ばれた少女がIS『アラクネ』を纏った鮮やかな黒い長髪の女性、オータムにぶっきらぼうに答える。
彼女達がいるのはIS開発室の最下層。そこにあるのは英国第3世代最新鋭IS……
「そいつが今回のターゲットか?」
「見れば分かるだろ」
オータムの言葉に答えるのも鬱陶しそうに言葉を発したMがISに触れるとISが光を発する。
「ちっ、生意気なガキが。スコールの頼みじゃなきゃ誰がお前なんかのお守りするかよ」
「こっちも頼んでない」
Mが待機状態となったISを左手に握りこんだ。
「さっさと脱出するぜ。もう用はねえんだ」
「ふん」
「ぐ……あ……」
その時、2人の足元で苦痛の声が漏れた。警備に当たっていた屈強な男が今は血まみれになって床に転がっている。それも一人ではない。十数名以上だ。しかし誰も死んではいない。部屋のどこからも苦痛の声が響いている。
そんな中、意識のあった一人が声を発する
「貴様ら……一体………ぐあああああああ!」
その男
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