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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
夏の終わり
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ーズに答えていけます。鈴さんは元々緊張するような間柄でもありませんし無問題です。

「ふむ。実に分かりやすいな。時にカスト候補生。少しいいかな?」

 無事に『スカイ・ルーラー』と『ディープ・ブルー』の説明を終えたときに榛名2尉が話を変えるように口を開きました。

「なんでしょうか榛名2尉。何か疑問点でも?」

「いや、少し聞きたいのだが……『キム・クイ』について」

「ああ〜、それはワタクシも聞きたいですね〜」

「う………」

 『キム・クイ』
 グエン・ティ・ホア少尉の専用機で元ベトナム所属の第3世代ISです。そして現在は赤道連合ジャクソン社所属のIS。
 その特筆するのは『水中専用IS』ということです。私たちが使っているのは水中戦特化パッケージ。IS自体を水中専用にしたものではありません。しかしホア少尉の『キム・クイ』はPICを外向きに備えたF.P.C、正式名称『Fluid Pressure Canceller』を搭載し水圧を相殺することで、理論上は無限の潜航を可能としています。
 島国の日本としては国防の要、隣国の中国としても備えとして是非とも欲しい情報でしょう。
 しかしベトナムは現在赤道連合に加盟を宣言はしましたがまだ仮の段階で、ジャクソン社への所属も現在国と同じく仮の状態です。
 そのせいで私たちの方にもまだ情報が伝わりきっていないと言うか……正直に言ってしまえば全容は分かっていないんですよね
 でも両国から見ればホア少尉は赤道連合の『ハーバーブリッジ』に所属していますし、出撃も同艦からでした。

「そ、それについてはですね……えーっと……」

 私もそんなこと聞かれるとは思ってもいなかったものですからモチロン資料なんて準備もしていません。知識もありません。こういう時は下手に誤魔化すと悪化しますし素直に頭を下げましょう。

「すいません。私は専門外なので開発局の方でお願いします……」

「うん? そうなのか。なら仕方ないな」

「自分の勢力のISも知らないのか?」

「う……申し訳ありません」

 江本候補生の言葉に私は謝るしかありません。

「響、ベトナムは参加表明しただけ」

「あ、そうか」

「まだ正式に参加したわけじゃない」

「ゴメンゴメン、すっかり忘れてたよ。すまな痛ったい!」

「あ……」

 江本候補生の頭にいつの間に回りこんだのか後ろにいた榛名2尉の拳骨が落とされました。
 正面にいた私ですらいつ移動したのかわかりませんでした。流石国家代表……

「この馬鹿どもがすまないな。言葉遣いを何とかせんか!」

「す、すいませんでした」

「ごめんなさい」

「い、いえ。こちらとしても堅苦しいと緊張しますので……」


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