第五章
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「そうするから。じゃあ今は」
「その花達を勉強して」
「ええ、滞在期間一杯までこの街にいてね」
そうしてだと。私はさらに言っていく。
「それからね」
「どうやら情熱が完全に」
「戻ってきてるわ」
くすりと笑っての言葉だ。
「いい感じよ」
「戻ってきているかしら」
「ええ、そう思うわ」
「それは何よりね」
自分でもそう言って貰えると有り難い。それでだ。
私は気分が上向いているのを感じてだ。こう返した。
「じゃあこのままいくわね」
「ええ、そうするといいわ」
彼女も頷いてくれた。そうして。
私達はパリに帰るとすぐに仕事に戻った。そうして発表した服を見てモデルの子達、男の子達も女の子達も唖然としてこう言った。
「またこれは」
「ジャパネスクですよね」
「あの国にいるみたいな」
「そんな感じになりますけれど」
「けれど」
「ええ、そうよ」
私はマネージャーと一緒にモデルの子達の前に立っている。そのうえでこう言った。
「ただジャパネスクにしたのじゃないわよ」
「現代風ですね」
「それですね」
「ただコピーするだけなら何でもないわ」
そうしたものには何の魅力も感じないのが私の性分だ。ジャパネスクは確かにいいにしてもそれだけでは何も生み出したことにはならない。
それでだ。私はモデルの子達にこう言うのだった。
「だからよ。私なりにね」
「アレンジされたんですね」
「そういうことなんですね」
「ええ、そうよ」
まさにその通りだとだ。私は答えた。
「そうしたのよ。まあアレンジはね」
「現代チックに」
「軽くですね」
「そうされたんですね」
あのままの服だと、特に十二単だとそのまま着ていけるものじゃない。あの服で外に出るなんて考えられない。それでだ。
私は日本に帰ってからマネージャーと二人で色々と話をして服をデザインしていった。使う生地も考えてだ。その結果だ。
かなり考えて打ち合わせをしてデザインした私の自信作、今私はその出来を彼等に尋ねた。一体どうかと。
「それでどうかしら」
「デザインの出来ですね」
「そのことですね」
「ええ、どうかしら」
真剣な顔で。彼等に問う。
「それは」
「はい、不思議な感じです」
「静かな様で色彩は豊かで派手で」
十二単だけでなく日本の自然、鹿や花達まで再現した。それなら当然のことだ。
「凄く趣があって」
「生地も軽やかで着重ねているのに動きやすくて」
「それに綺麗で」
「神秘的な」
一人の娘が言った。ここでこう。
「情熱さえ感じます」
「そう。情熱を感じるのね」
「確かに感じます。このうえなく」
こう言うのだった。その言葉こそ私が今受けて最も嬉しい言葉だった。私は彼女のその言葉を受けて会心の笑みに
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