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第三話 古城の秘密
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に口を開いて語り出すジル。ずいぶんと遠回しな話だったが、アスナは黙っていた。これまでの彼の言動から、なにを言っても無駄だということは学習していた。

「あのNPCはこう言った。――『この城にはかつて、たいそう戦好きな王様と騎士たちがいた。いつも戦に備え、武器の材料を大量に集めていた王様と騎士たちがだったが、ある日突然、王様が病で死んでしまう』」

話しながらも、ジルは罠の存在に的確に気づいて解除していく。一階部分はそろそろ八割がたがマッピングされようとしていた。

「『しかも間の悪いことに、城は集めていた金属の中にある至高の金属を狙う敵の軍隊に取り囲まれ、騎士たちもあっという間に倒されてしまった。しかし王様は、集めていた金属の隠し場所を王妃以外には秘密にしていた。そしてその王妃も王族のみが知る抜け道から逃げてしまっため、敵の軍隊はおろか味方の騎士たちにも見つけることはできなかった』」

ジルが喋り終わると、アスナはいつの間にか広い空間に出ていたことに気づいた。
その空間は墓地だった。多くの石の棺が置いてある中、一番奥に大きい棺が置いてある。

「この話のポイントは、王様と王妃だけが知ってたってとこ。そして王族のみが知る抜け道……それにこのいかにもな場所と来れば、答えは一つだけっしょ?」

そうしてジルは、棺に手をかけてその蓋を外した。アスナが駆け寄って中を覗き込むと、暗がりへと続く階段が口を開いていた。

「ってなわけで、正解は地下の抜け道でした」

手のうちをばらしたマジシャンのように、ジルが得意げに笑う。

「……つまり、この先に金属があるんですね?」
「まあね。至高の金属とかいうのは俺が取っちゃったけど、無数の金属は確かにここにあるはずさ。――ここからは罠もないし、お先にどうぞ?」
「そ、そうさせてもらいます」

先にこの暗い空間に下りていくのは怖かったが、階段が急なのを見てアスナは先に行った。ジルを先に行かせてなにかの拍子で振り返られたりしたらスカートの中を見られてしまう。

「それにしても、意外とみんなバカばっかだわ」

階段を下りていると、ジルが唐突に口を開いた。アスナとしては彼の軽薄な口調のおかげで気が紛れるので、今回ばかりはお喋り好きなその正確に感謝だ。

「――俺が流した噂聞いて、トラップの中に突っ込んだりとかするしさ」
「……えっ?」

アスナは聞き捨てならないジルの言葉に、思わず振り返った。

「俺としては、ヒントのつもりで流した噂だったってのに。そもそもアルゴあたりに誰がこのクエストを発見したのかって聞いたら、それが俺だってこともすぐに分かっただろうに」

つまり、ジルはこのクエスト真っ先に発見しクリア。その後にクエストのヒントのつもりで噂話を広めて、逆に混乱させ
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