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自由君
自由君
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が飽きて、「もう止めよう」と言っても自分はまだ飽きが来ないと感じると「いいや、俺はまだやる」と言ってきかないのだった。
私はそんな事をぼんやりとだが考えた自分がなんだかとても嫌な奴に思えた。
結局、彼と私の家はそこまで近くはなかったが、みんなプリントを渡しにいきたがらないので、私が担任の先生にやってくれないかと頼まれたのだった。
私が人から何か頼まれたら断れない性質であることは担任の先生を含めてクラスメート達全員が知っていた。
私は彼の家にプリントを渡しに行く事を決めた。
私は学校が終った後、彼の家を目指して歩いた。
彼の家はなかなか見つからなかった。
担任の先生が描いてくれた地図を頼りに進むと、公園があった。
担任の先生には「飯田の家の近くには公園があるから公園が見つかればもう少しだ」と言われたのを思い出した。
もう少しだ、もう少しで彼の家に着く。
そう思っていたら、私の耳に泣き声が聞こえた。
公園に目をやると、公園のベンチで俯いて泣いている少女がいた。彼女は泣きながら「飯田君」と一言だけ呟いた。
私は彼女に声をかけようかどうか迷ったが、声をかけることに決めて、彼女のほうに行こうと歩いた。
ザッ、ザッ、ザッという音が僕が公園のベンチに座っている彼女に向かって歩くたびにした。
その音で私の存在に気づいたのか、彼女は急に顔を上げて走ってどこかへ行ってしまった。
私は、走ってどこかに行ってしまった彼女が浜岡と言う苗字であり、自分の通っている中学校の生徒であり、私が恋している人だったと気づいたのは、彼女がどこかにいってしまったと感じたときから五秒ほど経った時だった。
私は彼の家に向かい、表札の近くについていたチャイムを鳴らし、彼が出てくるのを待った。
私は彼に彼女に何かしたのかとたずねようかたずねまいか悩んでいた。なぜだかわからないが、私は聞かないほうがいいような予感がこの時していたのだ。
そんなことを考えているうちに彼が出てきた。
彼はとても元気そうだった。
プリントを彼の家に上がって彼の部屋で彼に渡したときに、なぜ今日休んだのかと聞いてみた。そうすると、彼は「ああ、そんなことどうでもいいじゃないか」と言ったが、私が教えてくれとしつこく迫ると、「今日、俺の嫌いな山芋を使った料理が給食で出るんだろ?俺らの担任ってさあ、給食を残す生徒にすげえ怒るし、いきたくねえなとおもってさ」といった。
私は怒られたくないから休んだのかと彼に詰め寄ろうとしたが、もっと気にすべきことがあると思い踏みとどまった。
私は今まで悪さをしたクラスメートを前にして踏みとどまったことがなかった。
そして、彼に「浜岡に何かしたのか」といった。
すると、彼は「ああ、付き合ってくれと言われたんだけれど、なんだかめんどくせえと思ったから嫌だ、めんどくせえと
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