第106話:私たち、結婚します!(4)
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にもドキッとしてしまい、
そんな言葉しか出てこない。
それを知ってか知らずか、なのはは照れ笑いを浮かべたまま
俺の言葉にこたえる。
「うん。これはね、特別な時にだけ着る伝統的な服なの」
「よく似合ってる。かわいいよ。な?ヴィヴィオ」
「うん、ママとってもきれいだよ。ヴィヴィオも着てみたい」
「2人ともありがとね。ヴィヴィオのぶんはお母さんに頼んどくから、
また今度ね」
なのはが少し頬を染めてそう言うと、ヴィヴィオは嬉しそうに大きく頷く。
「じゃあ、そろそろ行くか?」
「そうだね、いこっか」
なのはが頷き、俺とヴィヴィオはこたつから出て立ち上がる。
玄関から外に出ると、早朝ほどではないにせよ冬の冷たい空気にさらされる。
「うっ、結構寒いね」
なのはがブルッと肩を震わせて、いかにも寒そうに玄関から出てくる。
「大丈夫か?」
「うん、平気。心配してくれてありがとね」
最後に、コートを着て少しモコモコになっているヴィヴィオが出てきた。
「大丈夫?寒くない?」
「うん、平気! 早く行こうよ、ママ!」
ヴィヴィオは元気に頷いて、なのはの手を引いて先を歩き始める。
俺はそんな2人の様子をほほえましく思いながら、少し後をついていく。
しばらく歩いて行くと、周りにだんだん人が増えてくる。
中には、なのはと似たような格好をしている女性もいる。
それらの人たちは先に行ったところで、石でできた階段を上っていく。
なのはもヴィヴィオの手を引いて、同じ石段を登っていくので
俺もそのあとに続いて上る。
石段は、自然石を使ったものなのか、一段一段の高さがまちまちで
登りづらいことこの上ない。
それでも気をつけながら石段を登っていくと、やがて頂上に少し開けた
場所があって、奥に木造の建物が立っている。
「さ、神社についたよ。みんなでお参りしようね」
「はーい!」
なのはの言葉にヴィヴィオは元気よく手を上げて応える。
一方俺は、なのはに向かって無言で小さく頷く。
俺とヴィヴィオの反応を確認したなのはは、奥の建物に向かって歩き出す。
建物の前には人々の行列ができていて、何やら拍手をしたり、
左右の手を合わせて建物の方に頭を下げている。
(なんだこりゃ?)
俺は見慣れぬ光景に気圧されながら、なのはの後に続いて歩いていく。
前を歩くなのはとヴィヴィオの会話を聞いていると、お参りの作法について
話をしているようだった。
それによれば、”お参り”とは土地の神様に1年のお願い事をする行為らしい。
しばらくして、俺達の番が来た。
俺はなのはの作法を見よう見まねでまねて、お参りとやらを済ませた。
建物の前を離れたところで、なのはが
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