暁 〜小説投稿サイト〜
IS インフィニット・ストラトス〜転生者の想いは復讐とともに…………〜
number-39 conclusion
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話



一夏はラウラにも顔を向けた。
目があったラウラは首を静かに横に振り、口を開いた。


「悪いな、私もそれぐらいしか知らんのだ」


一夏は強く手を握りしめる。
虚空を睨むその瞳は憎しみの籠った殺気立ったものだった。
――――麗矢を殺す。
それだけが一夏の頭を占めていた。


それでも我を失うことはなかった。
とりあえずこのやりようのない怒りをどこかに――――壁を叩きつけることで発散させた。
そして再び楯無と向かい合う。


「麗矢は何処にいる。俺はあいつを殺してやるんだ」


一夏は怒りで自分を抑えることが出来ない。
ただ、怒りの矛先が麗矢に向いたことだけは、楯無は知ることが出来た。
楯無は憔悴しきったこの体に鞭撃って立ち上がる。
だが、楯無はすぐに同じように椅子に座ることになる。


「いっくん。その必要はないよ。だって、れーくん。もうすぐ死んじゃうから」


篠ノ之束から発せられた衝撃の事実と共に。


      ◯


――ドゴオォ!!


轟音と共に扉が強引に開け放たれる。
開けたのは麗矢。
対峙するは初老の男性達。


「なっ――――! お前、ここがなんだと――――」


一番手前にいた男の言葉は最後まで続かなかった。
麗矢が一刀のもとに斬り伏せたのだ。


「お前ら全員殺してやる」


麗矢はISを展開、ここに来るまでにチャージしていた八門の超電磁砲を扇形に広がるように放つ。
光が収まり、紫電も止むとその場には麗矢とスコールしかいなかった。
塵一つ残さずこの世から消えたのだ。


「あっけないわね。こんなものにこき使われていたなんて思うと反吐が出るわ」
「まあ、いいさ。終わったのだから」
「ふふふ、そうね」


スコールがさりげなく麗矢に寄り添う。
麗矢は振り払おうとするが、スコールの肩が震えているのを見ると、その気も萎えた。
大人しく好きなようにさせる。


この場面をオータムに見られたら、嫉妬で怒り狂うだろうなとか、関係ないことを思いながらスコールの腰に手を回した。


(――――母さん、父さん。俺やったよ……)


      ◯


「――――ッ! それはいったいどういうことですか!?」


いち早く我に戻った楯無が束に聞いた。
束はいつも通りの心の内が読めない表情をしているが、そこにもどこか陰りがあった。


「言葉の通りだよ。れーくんが使うISはエネルギー源が生命なんだ。それを分かったうえでれーくんは使い続ける。余命は長くて半年ぐらいかな……」


ここで束の表情が崩れた。
一夏は見たことはなかった。束がここまで感情を表に出す所なんて見たことがなか
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ