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【完結】剣製の魔法少女戦記
第二章 A's編
第五十三話    『受け継がれる魂と記憶』
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い今現在家に残っているのは私とセイバーだけだ。

「セイバーは、どう思っているのだろうか…この世界について」

後片付けを終了しどうしたものかと居間でボーっとしていると突然背後から気配を感じて私は振り向こうとした。
でもそれより早く首に手を回されて後ろから抱きつかれた。
こんな事をするのは…、

「シロウ、遊びに来たわよー」
「イリヤ…?」

そこには私の最愛の姉の姿があった。
自然と私は涙ぐんでしまった。

「…どうしたのシロウ? どこか痛いの…?」
「なんでもないよイリヤ…そう、なんでも…」
「そうかなー?」
「ああ…」
「イリヤスフィール…来ていたのですね」

そこにセイバーがやってきた。
それで思い切って私は二人に聞いてみることにした。

「なぁ…セイバーにイリヤ。単刀直入に聞くけど…この世界は私の理想の世界の夢なんだよな?」
「「………」」

二人は無言。
しばらくして、

「…はい、そうですシロウ。あなたは夢を見ているのです」
「だから今こうして私達は自然とシロウと話していられるんだよ?」
「だったら…」
「いいではないですか…」
「えっ…?」

セイバーの思いがけないセリフに私は思わず言葉が詰まる。

「たとえ夢だとしてもここにはシロウ…あなたの幸せな世界が広がっています」
「永遠に続く悲しみの一切ない私達の理想の世界だよシロウ? 一緒にここで暮らそう…?」
「………」

二人からそんな話を振られる。
でも、こんな世界はありえない。だからこそこんな世界にいてはダメだ。

「…悪いけど二人共。私はこの世界にはいられない…。一回捨てた身でこの夢の世界に留まることは…みんなに、特にセイバーとイリヤに失礼だ」
「そうですか……………、ふぅ、安心しました。シロウ、私はもしあなたがこの世界に留まる選択をしたら切り捨てるつもりだったんですよ?」
「私も…きっとシロウを殺すわ」

それで私は苦笑いを浮かべる。
やっぱり敵わないな。

次第に世界にヒビが入っていき世界は砕け、気づけば私は衛宮士郎からシホ・E・シュバインオーグの体に戻っていた。
でも世界は砕けたというのにまだセイバーとイリヤは一緒にいる。
これはどういう事だろうか。

「安心してください、シホ。私はあなたと共に存在しています。アンリミテッド・エアの中からシホのおかげで自由に出れるようになりました」
「私もシホの体の中にそのうち戻るわ」
「そっか」
「さて、では行きましょうか」

セイバーがそう言う。
でも、行くって言ってもどこへ。

「まだシホと完全に統合できていない人の目を覚ましに行くのです」
「ついてきてシホ」

イリヤに手を引かれて私は歩き出す。
するといつの
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