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IS インフィニット・ストラトス〜転生者の想いは復讐とともに…………〜
number-38 truth and venreance then lay bare one's heart
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――一夏だけは違っていたが。
一夏は引っかかっているものがある。


あの三人がいなくなって、シャルロットがいなくなって、いないまま夜が訪れて、千冬に呼ばれて来てみれば、こうなっていた。
全てはあいつらのせいではないのか。
そう思った一夏は項垂れたままの三人の前に立った。


「なあ、あんたたちなら知ってんだろ……どうして、シャルがあんなことになっているんだよっ!!」


一夏は最後まで己を律することが出来ずに激情して、聞いた。
楯無は口を開くことはない。
それどころか、誰ひとり一夏の方を向くことはなかった。
その姿を見た一夏はカッとなり、目の前にいた楯無の襟元を掴み、無理やり立たせた。


「……乙女に暴力はダメ、いけないよ……」
「うるせえっ!!!! あんたは黙って答えればいいんだ! 答えろ、知ってんだろ。一体誰がシャルをあんな目に合わせたんだ!!」
「…………」


力なく言葉を放つ楯無にさらに逆上し、揺すりながら楯無を問い詰める。
しかし、楯無は答えようとしない。
ただ、黙って躊躇うように口を開いては閉じるのを繰り返す。


そんな楯無の姿に一夏は何を思ったのか後ろに押すように手を離した。
ふらふらっと椅子に音を立てて座る。


「答えろ。誰がやったんだ」


一夏は箒と鈴の制止に声も聞こえないようで、先輩である楯無を乱暴に問い詰める。
おそらくその様子じゃあ、楯無のことは知らないようだ。


「…………ハアッ。いいわ、教えてあげる。自分から聞いたんだから後悔しないでよ」


楯無は嘆息しながらも、一夏に真実を教える


「この事件の被害者はシャルロット・デュノア。――――そして、容疑者は」


――――夜神鳥麗矢よ。


      ◯


千冬は誰もいない職員室で一人職務をこなしていた。
この件に関する報告書をまとめるためである。
ボールペンで書き進める音が響く。


だが、唐突に音が止まった。
カツっとペンを置く。
学園に戻って来てからはずっと思いつめた表情をしている千冬。
途中であった真耶に心配されたが、何でもないと気にさせなかった。


――ダアァン!!!


千冬が両手を握りしめて、机を思いっきり叩いた音が職員室内に響き渡った。
悲痛な顔をして、今にも涙が零れ落ちそうである。


「……何が世界最強だっ………! 生徒一人守れないで、何が教師なんだ……! 何がブリュンヒルデだっ……!」


――――これが千冬の本音なのだろう。
いつも冷静でいる千冬だが、世界最強も人の子なのだ。
感情はある。
それを人前では見せることがないだけなのだ。


千冬の頬を一筋の涙が伝った。


 
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