第十一話
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あ……」
パチュリーは息を切らしながら魔法を詠唱していたのだ。
(どうして……?パチュリーさんの魔力は他の人に比べても明らかに上……まさか……)
俊司は苦しそうにするパチュリーを見ながら確信した。
パチュリー自身の魔力は大きい。だがそれ以上に彼女には足りないものがあった。
パチュリーは喘息を持っている。それが最大の欠点だった。
人間としての身体能力に比べると、彼女の能力は並以下ともいえるくらい弱いものだったのだ。それが原因で、長時間に何度も連続で魔法を詠唱することはできない。
彼女の体力はもう限界を迎えようとしていたのだ。
最悪のシナリオが俊司の脳内をよぎる。
(どうする……このままじゃ……それにさっきの状況を考えると……鈴仙も……)
レミリアとフランは日傘をさしており思うようには動けない。
美鈴と妖夢は近距離まで持ちこめるかが定かではない。
魔理沙は肩を負傷している。パチュリーは体力に限界が来ている。
小悪魔は力不足で対応しずらい。
アリスなら攻撃できるかもしれないが、シャンハイを操る際には物陰からでないといけない。そうすればスナイパーに狙撃される可能性がある。
鈴仙は……。
「……」
俊司達の策はもう一つしか残されていなかった。
「みんな……聞いてくれるか?」
「どうしたんですか……?」
「俺がオトリになる……その間に逃げてほしい」
俊司が真顔でそう言った瞬間、その場にいた誰もが目を見開いて驚いた。
「なに……言ってるんですか……俊司さん?」
「……オトリになるって言ったんだ」
「馬鹿言ってんじゃないわよ!あなた……それがどういうことかわかってるの!?」
「はい。おそらく俺は負けるでしょう」
レミリアの問いかけにも、俊司は真顔でそう答えた。
「ですが、勝率が0%ではありません。スペルカードを駆使すればなんとかなるかもしれませんし」
「そうしたとしても……せいぜい2・3%程度よ!?」
「わかってます。でもここにいる全員の状態を考えると、俺が残るのが一番最適です。相手がどんなタイプかもわかるし、なにより対応できる距離がほとんど同じです」
「それはそうだけど……だからと言ってあなたが残ることじゃ……」
「つべこべ言ってんじゃねえよ!! ここで仲良く共倒れでもしたいのか!?」
「っ……」
俊司は自分を必死に止めようとするレミリアを思いっきり怒鳴りつけた。レミリアは予想外の迫力に、思わず言葉を飲み込んでしまう。
そのまま、俊司は続
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