SAO編
episode6 消えゆく炎と折れた意志2
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準に『攻略組』の対策を練るだろう…」
泣きそうな声を、必死に抑えて言う。
「……俺は、バカだった…俺は、俺は、PoHに、勝てるなんて、思ってた…。バカバカしいくらい、思いあがってたんだ……。はは…見ろよ、コレ。たった一発だぜ? たった一発くらっただけで、このザマだ……そして、俺も、このザマだ…」
震える指先で、右手を振う。
実体化した、酷く罅割れた《フレアガントレット》をキリトに放ってよこすと、悲しそうな視線とぶつかった。構わず、俺は続ける。言いきらなくては。最後まで、言い切らなくては、いけないんだ。
「……キリト…俺は、俺は。守って、やれなかった…っ! ソラは、ソラはっ。お前や、『閃光』と同じ、『勇者』だったのに…っ! この世界を終わらせるために、失ってはいけない人だったのに…っ! 俺は、ソラを、ソラを、守って、やらなきゃ、ならなかったのに……俺が、俺なんかが、生き残って……っ!」
言いきれたのは、そこまでだった。
そこからは、もう、声にならなかった。再び流れ始めた涙が、漏れ出す嗚咽が堪えられず、俺は右腕で顔を覆った。食いしばった歯が、痛いくらいに軋む。腕の下から、止め処なく涙が零れる。そして急速に、意識が遠ざかっていく。
またやってきた、昏いまどろみに落ちる直前。
「……俺は。俺は。…お前だって、『勇者』の一人だって。そう、信じてる」
キリトの声を、聞いた気がした。
◆
この噂…『攻略組』、少なくともそのレベル帯のギルドである『冒険合奏団』が、『笑う棺桶』に敗れたという噂は、すぐさまアインクラッド中に駆け巡った。最も反響が大きかったのは、『攻略組』だった。『旋風』と呼ばれる程の速度を誇ったシドが首領であるPoHに圧倒され、ボス攻略に参加するほどの強さを有していたソラが殺されたのだから、当然と言えば当然だ。
こうして、アインクラッドでの『笑う棺桶』の脅威はますます高まっていき、早期の対策が叫ばれるようになった。そしてとある夏の日。とうとう、『攻略組』は、奴らの居場所を突き止めたのだった。
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