SAO編
episode6 消えゆく炎と折れた意志
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したのは、男の四肢の中で唯一残っていた左手に握られた、一本のダガーナイフ。その刀身は、なんらかの毒を有しているらしく薄い緑色に光っている。
慌ててシドを後ろに庇って背中の剣の柄を手に取る俺の前で、
「バハハハハハ!!!」
男が、ナイフを突き立てた。
己の、脇腹に。
呆然とする俺の前で、そのHPが更に減少する。その残量は、もう数ドットもない。
「…『黒の、剣士』。ギ様ら、ゴう略組も、モう、ヴォわりだ。バハ、バハハハハハ!!!」
そのHPを一瞥すらせず巨漢の男が大声で嗤う。その哄笑からは、今の現状への恐怖も、四肢を切り裂かれた苦痛も、死に対しての恐怖すらも、全く感じられない。
そして、その最後の一ドットが、ナイフに塗られた毒によって消滅して。
「…ゴろす!ヴぉ前ら、ゼん員、ゴろす!!!」
男は、最後に高々と捨てゼリフを吐いて、莫大なポリゴン片となって爆散した。
と、同時に。
「…っ!?シド!!?」
「……っぅ…き、キリト…?」
俺に抱えられたままのシドが、糸が切れた人形のように崩れ落ちた。
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