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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
第十七話「修業開始」
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か?」
「体内の気を操ることで主に身体能力の強化や耐久性および治癒力の向上が図れる。放出すれば気弾としても活用できる。このようにな」
二十メートルほど離れた場所にある木に向けて手を翳す。水を汲み取るイメージでもって、翳した掌に気を集め圧縮。これ繰り返すと瞬く間に拳大ほどの大きさの気弾が出来上がった。
青白い光を放つ気弾を放出すると、轟音を響かせて標的もろとも周囲を吹き飛ばした。
「え……えぇぇえええええ!?」
口をあんぐりと開けている青野を尻目に首を傾げる。
「ちょっと強かったか……。とまあ、やろうと思えばこんなこともできる。青野も早くできるといいな」
説明もこのくらいにして、早速やってみるか。一文は一見にしかり、一見は一行にしかり。
「まずは体内の気の流れを意識するんだ」
「はい!」
座禅を組むと言われた通りに己の内側の世界に潜る青野。その様子を背後で見守りながら言葉を続ける。
「通常、気というのは体内を血のように巡っている。が、中でも巡りの良いところと悪い所がある。まずは巡りの悪いところを自覚するんだ」
「……」
「気の巡りの悪いところと良いところは必ず存在する。個々によって感じ方は様々だが、何かしら感じ入るところがあるはずだ。血の流れを意識しろ。頭頂からつま先に至るまで隅々に違巡る図をイメージするんだ」
「……………………んん? これ、かな?」
眉根を寄せた青野が小首を傾げた。
「気の巡りが悪いのはどこだ?」
「……左足と……右のお腹辺りです」
自信なさ気に答える青野に一つ頷いた俺は次の指示を出す。
「気の巡りが良いところを探すんだ」
「…………左胸です」
「よし。では今度はそれらを均一にする。仮に巡りが良いところを十、悪いところを二としたら、これらをすべて満遍なく五にするんだ」
「どうすればいいんですか?」
「これも単にイメージがものをいう。イメージの内容は人それぞれだが、目的に沿ったものが好ましいな。水平線や水面などはセオリーだな」
このイメージは個人によって千差万別。知り合いの退魔師はロードローラーで地面を轢いている図を浮かべている者もいた。
ちなみに俺は海を想像した。深い夜を思わせる深夜の海で、海面が揺れている図だ。
青野は何を思い浮かべるのか。うんうん唸る生徒の頭を見下ろしながら、若干楽しみにしていたりする。
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