第66話 =リクヤVSサウス=
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もわかる。だがぶつかった瞬間、攻撃が何か柔らかいものに飲み込まれるかのように吸い込まれて威力を失う…そんな感じだった。
「『イージスの盾』を知らないの?」
「お生憎様、防具方面には疎いんだ。よかったら教えてくれない?」
…まぁ武器にも詳しいってわけじゃないし、その分類くらいしか覚えていない。自分の気に入った剣なら名前とか性能とか簡単に覚えられそうな気がするんだけど…。
「伝説級武具『イージスの盾』のエクストラスキル『ヴァリアブルオーラ』。この盾で受けた攻撃なら全て無効化させる…そういう防具」
「……はぁっ!?」
「驚いている暇は……与えない!」
自分の武器で相手を防御しながら何とか距離を作ろうとするが引っ付いてくるように追いかけてくる。このリーファにありえない、というような目で見られた筋力値なら何でもできると思っていたのにばちが当たったのか、多分一番厄介な相手だ。牽制を使って攻撃…というのはどうも出来ないので大体ごり押しになるわけだが今回に限ってはそれも不可能…。しかも相手は防具に頼って副官という座まで来たわけじゃないらしく、その剣技もすさまじいものだった。剣自体の攻撃力が少ないためなのか的確にダメージを与えようとしてくる。正直それを捌く、もしくは避けるだけでも精一杯だ。
「せぃっ!!」
アスナにも勝るとも劣らない速度の突きが繰り出されてきた。今、右手の剣は盾に阻まれていて攻撃を防ぐことは出来ない。
でも…
「ユカを助けるために…負けるわけにはいかないんだよおっ!!!」
何故幼馴染の名前が出たのかは判らない、でも動きを止めるため掴もうとその長剣に手を伸ばす。が、掴むことが叶わずそのまま左手が空をきった。
「……え…」
その呟きとともに攻撃が大きく逸れたのだ。突然のことに俺も動けなかったがその間、意味のわからない何かの単語をずっと呟くサウス。しばらくしたあと…といっても数秒だが何かが繋がったかのように言葉を口に出した。
「…リク……リクヤ…?」
「そうだってさっき名乗ったじゃん」
「…陸也……君?…た、雄護……陸也………なの?」
何で俺の本名を…と言おうとしたとき、俺の中でも何かが繋がった。デュエル申請したときウィンドウに現れたサウスの英語表記は「South」和訳するとすれば「南」…単純な名前だな、なんてその時は笑いかけたが…。そういえばいるじゃんか、俺の知り合いに同じ音を持つ名前の人が。
「まさか…美菜実…なのか?」
俺が名前を呼ぶとはっきりと目を見開いて驚くサウス。
「……なんでこんなゲームなんてやってるんだよ…」
「こっちの台詞よ……!!どうして…あんなことがあったのに……」
「…っ…それは」
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