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少女1人>リリカルマジカル
第二十二話 少年期D
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、どうやらマイスターが次の休みなら時間をとることができるそうですよ』
「ほんとか!」

 コーラルからの言葉に俺はつい大きな声を出してしまい、慌てて口を閉じる。夜中はさすがに近所迷惑に……いや、宴会場の強者さんへの一気コールの方がでかいから今更か。本当に頑張って、強者さん。

「やっと直接お礼ができるな。実際に会うのはいつ振りだろう」
『通信でやり取りはしていましたけど、会うのはおそらく1年ぶりではないでしょうか。空中突撃しに行った日からでしょう』
「……あの時も一応、1年ぶりぐらいの感動の再会だったと思うのだが」

 いくら記憶を思い起こしても、どこも感動できるシーンがなかった。体調不良でふらふらだったワーカーホリックを昏倒させて、説教して、結局テスタロッサ家秘蔵コレクションを一緒に見ただけだ。うん、なにしてるんだ。

『ますたーとマイスターらしい関係だと思いますけどね』
「そんなものかね。とりあえず日持ちできるクッキーにしておいてよかったよ。いつ会えるかもわからなかったし」

 クッキーの鮮度は問題ないだろう。もし賞味期限がきれそうだったら、最悪送ればよかったことだ。それにしても相変わらず忙しそうだな、と俺は小さく笑ってしまった。

『楽しみですね』
「うん、とりあえず体調に気を付けていたらいいんだけどね。父さんは」

 俺も了承のメッセージを送り返し、あの混沌の空間で無事に生還を果たしていた強者さんと合流。この人は常識人だけど、結構(いい意味で)変人だよな、と失礼なことを考えながら俺は酔いつぶれた人たちに毛布をかけていった。


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