第二十二話 少年期D
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められるのがうれしくて仕方がない、って顔に書いてある。
『混乱の中、地上部隊は決定的な証拠を我々に示しました。それは実際の開発の様子や脅迫内容、さらに汚職関係の映像などまさに証拠のオンパレード! そしてアレクトロ社の重役、関係者を次々に捕縛していったのです』
今さらながらこの番組のタイトル名を見ると、『華麗なる地上部隊』という題名だった。なるほど、お姉さんのテンションが高いわけだ。あっ、副官さんだ。こちらもいい笑顔で関係者をどんどん捕まえている。というか副官さんがかなり映っているな…、と思っていたら、テレビ画面の下の方に『映像提供者:総司令官様より』と載っていた。納得した。
今回のことで、管理局員や裁判官の一部も捕まったらしい。それが今から数日前の出来事。後日改めてみんなの無実が確定され、俺たちは解放されたのだ。今までの長い戦いも終わり、どんちゃん騒ぎになってしまうのは当然だろう。
『市民を守る管理局員が関与していたことは私としても大変つらく、悲しいことだ。しかしどうか忘れないでほしい。私たちは市民の安全を何よりも守りたいのだと。我々が事故を事前に止められなかったことは謝罪しよう。だが、これ以上の悲しみを広めるつもりはない! 我ら地上部隊がいるかぎり、皆様を守り続けることを誓おう!』
おじいちゃんキャラちがくね、と思いながらテレビの電源を消す。まぁ、ああいう熱血パフォーマンスも大切だよな。薄暗かった部屋から光源が消えたため真っ暗になったが、そこはお手軽点灯コーラル君。俺は先ほどまで運んでいた毛布をもう1度抱え、宴会場に向けて歩を進めた。
「総司令官って本当に市民のことを大切にしてくれてるんだな」
『そうですね。あの後、真実を伝えられず苦しい思いをさせてすまなかった、とマイスターたちに謝罪されていましたしね』
「うん」
総司令官や副官さんが持つ管理局員としての誇り。いつもミッドのために、そこに住む人々のために戦っている。救い出している。あぁ、うん。なんかもう、普通にかっこいいや。
『いいだろう、坊主の条件を呑もう。……ただしこれだけは覚えておけ。お前がもしその知識を使い、世界を混乱させようとしたその時には、儂自身の手で必ず潰させてもらうぞ』
「……俺も頑張らねぇと」
総司令官達のような覚悟が、俺にもあるのかなんて正直わからない。それでも俺がやることは変わらない。これからも守っていく。これからも頑張っていく。それだけだ。
あ、そろそろ俺の行動方針もちゃんとまとめておくかな。憂いごとも片付いたんだし、本腰あげていかないと。ようやくスタートラインを踏み出したばかりなんだし、道に迷ったりしたら大変だからな。
『……おや』
「どうした、コーラル?」
『通信ですね。ますたー
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