第二十二話 少年期D
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の微粒子と反応を起こし、一瞬で周辺の酸素を燃やし尽くしてしまったのだ。高密度の魔力エネルギーと酸素の消失。そのため今でも事故の影響で、駆動炉の周りの自然体系は崩れている。
死者は出なかったとはいえ、土地にあれほどの被害を出せば責任問題も大きい。テレビでは、駆動炉の周辺が映し出されている。アリシアと遊んだことのある場所も幾つか映ったが、半年前までの面影はなかった。
『事故当初の発表では、今回の駆動路の開発をしたアレクトロ社が、開発者が違法手段・違法エネルギーを用い、安全確認よりもプロジェクト達成を優先させたことが原因であると報告されました。しかし、開発側はそれを否認し、上層部の杜撰な管理とさらに圧力をかけ、脅してきたことが原因だと供述し、両者の意見は真っ向から対立していました』
番組の内容は裁判の話へと移り、その当時の様子が回想のように流れている。母さんたちは本当に劣勢だった。なんせ見つかった書類やデータは改ざんされ、それを証拠として突きつけられていたのだから。いくら母さんたちがそのような書類を書いた覚えがない、と言い張っても聞き入れてはくれなかった。
「こんなの普通に敗訴で決定だよな。もう少し調べてくれたっていいのに」
『管理局員に内部の捜査をさせないように根回しもしていたみたいですしね。……民間の事件で辺境のことです。総司令官も言われていましたが、すべてを拾えるわけではないでしょう。人員の足りない状態で、これだけの証拠があれば調査の手を止めてしまう場合が多いでしょうから』
「俺だってわかってるさ」
俺自身そのことに不満はあったし、納得できないところもあった。だけど、それを直接ぶつけるつもりはなかった。頭の中でそれは仕方がないことなのだと理解していたからだ。
本来の歴史では、母さんは裁判に負けてしまう。その後会社からの口止めとしての賠償金を受け入れ、ミッドから去ることしかできなかった。すべての罪を擦り付けられて。娘を失い、1人になり、果てに持っていたものをすべて失ってしまった。
この定めが本来の道筋だとわかっている。だけど、だからって…はいそうですか、と認められるほど俺は聞き分けがよくない。理解はできても、それが納得できるものじゃなかったから俺自身で足掻いたんだ。
『開発側の敗訴が決定し、この事件は終わりを迎えました。しかし……ここからが歴史に残るであろう大逆転劇の始まりだったのです! 今まで静観を保っていた地上部隊が突如突入してきました。「三文芝居はようやく終わりか?」と入ってきたのは、なんとあの歴戦の魔導師。地上本部首都防衛隊代表であるローバスト総司令官でした!』
映像には混乱する人々の様子や総司令官のすごくいい笑顔が映っている。あのおじいちゃん結構Sっ気あるよな。もう今から存分にいじ
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