第二十二話 少年期D
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って防いでいる。酔っぱらっているのに精密な魔法操作。すごいのに、なんでこんなに残念なんだろう。
「これぞまさに死屍累々」
「んふー」
どうしよう、妹にもうつってしまったみたいだ。というか眠いみたい。晩御飯食べていたあたりはみんなもテンションが高いだけだったのに、酒が入るだけで大人組はほぼ全滅とか。母さんも珍しくグビグビいってたし、それだけうれしかったんだろうな。
俺は強者さんに一声かけ、瞼をこする妹を引き連れて寝室に向かうことにする。さすがに子どもに酒を進める人はいなかったとはいえ、宴会場にこのままいるのもあれだったし。なんとか安全圏に避難してきたリニスを抱きしめながら、アリシアはそのままベットに沈んでいった。
『それでは、次の内容にうつりたいと思います』
「ん? あれ、テレビつけっぱなしじゃん」
『本当ですね』
みんなに毛布でも持って行ってあげようと寝室から宴会場に戻る途中、女性キャスターの声に立ち止まる。俺は部屋の奥に行き覗き込むと、だれもいない薄闇の中で映像が流れているのに気付いた。おそらく誰かが消し忘れたのだろう。仕方がない、と頭をかきながら電源を消すためにスイッチを押すことにした。
『新型の大型魔力駆動炉暴走事故についてです』
そこで俺の手は止まった。少し眠気があった頭も覚め、映像に自然と目が行く。モニターに映し出されているのは、久しぶりに目にした塔のような建物。次元航行エネルギー駆動炉「ヒュードラ」だった。
『今から4ヶ月程前に起きた事件。駆動炉が暴走したことにより、高純度の魔力エネルギーが外部に漏れました。幸いこの事件に死者はおらず、開発関係者も建物も無事でしたが、自然環境へのダメージはとても深刻なものとなっています』
4ヶ月…もうそんなに経ったのか。詳しい事故の内容が発表されてから、まだそれほど日は経っていない。最近まで俺は、当事者でありながら事故の原因も被害もあまり知ることができなかった。
それは大人たちからの配慮だとわかっていた。子どもの俺たちに、わざわざ自分たちが死にかけた原因を話す必要はないだろう。そのため管理局の発表した情報程度しか俺は知らなかった。おじいちゃん達からもらえた資料で、ようやく概要をつかむことができたぐらいだ。
原作のアリシアの死因は、正直ぞっとするようなものだった。母さんの結界があったおかげで、高純度の魔力エネルギーを直接身体に浴びることはなかった。もし結界がなかったら、なのはさんとフェイトさんとはやてさん3人の本気ブレイカー並みかそれ以上のダメージだっただろう。普通にショック死できるな。
まぁとにかく、爆発の衝撃と魔力ダメージだけなら結界で防げたのだ。ただ彼女の死因はおそらく…窒息死だった。漏れたエネルギーが空気中
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