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少女1人>リリカルマジカル
第二十二話 少年期D
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させるのは横暴というものじゃ」

 ローバスト総司令官にとって、「闇の書」の情報はそれほど重要視するものではなかった。ほかのロストロギアであったなら、物によっては今回の取引はなかったことにした場合もあっただろう。もし万が一、そのロストロギアを使われたらまずいためだ。

 しかし闇の書は、ランダムに主を決めるロストロギアである。現在アルヴィンが闇の書を所持しているわけではない。次元世界には無限ともいえる世界があり、多くの人が暮らしている。これからの未来でその所有者に出会える確率は? 彼が所有者になる確率は? 探し出したとしても主としての権限のない者に何ができる。

 管理局員になれば、多少面倒な手続きが必要だが調べられないわけではないのだ。アルヴィンの様子を見て、早々に引き下がりそうにないのもわかった。なら条件を呑めば、レアスキルの補助が手に入り、もしもの場合に監視もできるのは有益だろう。


「まぁ、そんな難しく考えすぎても仕方ない気もするがのぉ」
「……何故そんなに楽観的に見られるのですか」
「かっかっか。確かに儂個人の考え方だな。だが、これから先も関わりはあるんだ。お前の眼で見て、そして考えて、判断を出したらいいさ」

 口元に笑みを浮かべながら言葉を切る。長い会話の中で整理していた必要な書類をまとめ、総司令官は椅子から立ち上がった。言われた内容に一瞬困惑したが、彼もすぐに表情を引き締め同じように立ち上がる。自分なりに考察するのも大切だが、まずはやらなければならないことがある。考えを切り替え、お互いに視線を交わした。

「とりあえず、まずは儂らの仕事をこなすことが始めじゃな。……早々に片づけるぞ」
「はい」

 壁に立て掛けていた上着を羽織り、2人は執務室から退出する。地上本部は動き出した。



******



「この勝利をあなたたちに捧げるわぁーー!!」
「祝いよ、祝い!! 今日はガンガンに飲むわよ!!」
「嬉しいのはわかりますが落ち着いてください! 主任、お嬢さんと坊やが潰れそうですから抱擁押さえてください! そっちは酒で物理的に潰して回るんじゃない!」

 酔っぱらった母さんから助けていただき、強者さんは酒で狂化されて文字通り潰しまくっている同僚さんを止めに行った。母さんは幸せそうな顔で「んふんふ」と笑っている。ほかの開発メンバーの何人かも同じように夢心地に「んふんふ」言っている。やばい、増殖している。

「うにゃァー!」
「きゃー、ぽかぽかー!」
『お酒の力ってすごいですねー』

 肌寒い気候になってきたからか、リニスは特に人気だった。リニスもさすがに逃げ出そうともがいていたが、酔っ払いの前に撃沈。同僚さん、魔力で身体強化して相手の抵抗を抑え、猫パンチは瞬時にバリアを張
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