第二十二話 少年期D
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ういえば海のエースの出身地がそんな名前だったな。……ここから近いな。時間が空いたら行ってみてもいいかもしれん」
その後、2人と1匹はのんびり端末をいじりながら、動物特集やら次元世界の観光地などを見ていった。途中でアルヴィンとコーラルが帰ってきて、それに一緒に参加して1日を過ごすことになった。
ピーちゃんが治ったからか、兄の顔はどこかすっきりしたような、安心したような感じだったなとアリシアは思った。
******
「……よろしかったのですか?」
「なんじゃ、藪から棒に」
先ほどまで2人で食べていたクッキーの皿を片づけながら、ゲイズは上官に疑問を口にする。総司令官も自分の副官が何について聞いているのかはわかっていた。
彼は副官であったため、あの話合いの場での進言は控えていた。だが、顔からは明らかに不満があるとかかれている。わかりやすいのぉ、と総司令官はクツクツと笑みを口元にのぞかせた。
「悪い話ではなかっただろう。儂らは坊主の調べ物に許可を出すだけ。情報も調べようと思えば儂らでも調べられるものだろう。……まぁ、あんなめんどくさい魔境みたいなところに行きたいとは思わんが」
「しかし、ロストロギアですよ」
「闇の書か。まぁ物騒なのは確かだな」
総司令官もそこを否定するつもりはなかった。彼も副官が危惧していることぐらいわかっている。局員でもない6歳の子どもが、ロストロギアについて知りたいなどと普通口にするわけがない。興味本位で知りたい場合もあるが、その範囲はすでに超えている。
総司令官は短い間とはいえ少年を観察していた。そして随分面白い性格をしているな、と感じたのが彼の第1印象だった。子どもらしいところもあるし抜けているところもあるが、根っこはかなりシビアなようだ。少なくとも冗談でロストロギアを調べたい等とは言わないだろう。つまり本気だ。
真剣にロストロギアについて調べたい。その代わりの交換条件も提示してきた。そしてその条件は、こちらにとって有益になるだろうと判断できるものであった。さらにアルヴィンが調べたい物は危険な物であるのは間違いないのだが、その情報の使い道はほとんどないものなのだ。
「管理局への従事も場合によっては考えます、か。随分切羽詰っていたようじゃな」
「地上部隊への補助、そして緊急事態の場合の協力との引き換え。この条件で本当によかったのですか。あいつは一応AAランクの魔力量を持っていましたし、従事という形でも…」
「やめんか。魔力資質が高かろうと、もともと子どもを戦わせるなど儂は反対なんだ。もちろん次元世界の情勢的に難しいのはわかっとるし、自ら入局を選んだ者なら子ども扱いするつもりはないがな。だが本心で志願した訳でもなく、あれぐらいの情報で入局
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