第二章 A's編
第五十二話 『聖夜』
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はっきりと叫びたいが今は心の中で言わせてもらおう。
本当に怖かった…!
今もアヴァロンを選択してよかったと心の底から思っている。
さて、なんとか防げてよかったけどすずか達にバレちゃったわね。
なのは達がエイミィさんと通信していたらしく、
「もう、大丈夫…」
「すぐに安全な場所に運んでもらうから、もう少しジッとしていてね」
すずか達が何か言いたげにしていたけどすぐに転移魔法陣が展開して二人は転移していった。
「見られちゃったね…」
「うん…」
「しょうがないわよ。それより二人が気がかりだわ。ここはユーノとアルフに守ってもらった方がいいんじゃないかしら?」
「うん。そうだね」
それでなのはとフェイトは念話で二人を守ってくれとお願いしてユーノとアルフはすずか達の方へと向かっていった。
「…にしても範囲攻撃になって恐ろしさが倍以上になっていたわね」
「そうだね…」
「アヴァロンを使ってよかったわ。あれはただの防御魔法だけじゃ軽く貫通しちゃうだろうから」
「そこまでかな…?」
「私が防御の最後の手段を使わせる選択に迫られた気持ちになってもらいたいわ。なのはのアレはもう人を軽く殺し得る威力よ」
「うんうん」
「そうです」
「そんなぁ…私を化け物みたいに言わないでよぉ〜」
なのはが必死に抗議してくるがそろそろ休憩タイムは終わりのようだ。
私は必死に念話で闇の書に語りかける。
《こら! まだはやてを救える可能性があるのよ!? さっきも言ったけど守護騎士達はそれを信じて自ら犠牲になったのよ!?》
《無駄だ。止めることはできない…》
《諦めるな…! 夜天の魔導書!!》
《その名で、呼んでくれるのか…?》
《呼んで欲しくば何度でも呼んであげるわ! だからあなたも希望を持ちなさい。主を助けたいと思うなら…!》
そこになのはとフェイトとフィアも話に参加してきて、
《そうだよ! 夜天の魔導書さん!》
《まだ希望は残っています! だから…!》
《まだ絶望するには早いです!》
《だが、やはり無理だ。私は破壊しかできない。故に…》
すると突如として地面から生き物の触手が飛び出してきて私達を拘束した。
「私は主の願いを叶えるだけだ…」
念話ではなく近くまで来て生の言葉で夜天の魔導書はそう言った。
「願いを叶えるだけ…? そんな願いを叶えて、それではやてちゃんはホントに喜ぶの!?」
なのはが拘束されながらも叫ぶ。
「心を閉ざして何も考えずに主の願いを叶えるための道具でいて、あなたはそれでいいの!?」
「我は魔導書…ただの道具だ」
「ならなんで涙を流す必要がある。それはあなたにも心があるってことでしょ!? 道具ではなく人としての!」
私が叫ぶ。
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