暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
白と黒
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葉がよく似合う、鋭く整った顔立ちのなかで、空色の瞳が印象的な光を放っている。

髪型、髪色、さらに瞳の色までも自由にカスタマイズできるSAOだが、もともとの素材が日本人であるため、このような強烈な色彩設定が似合うプレイヤーはかなり少ないと言える。アスナ自身も、かつて髪をチェリーピンクに染め、失意のうちにブラウンに戻したという人には言えない過去がある。

美人だなぁ、キリトくんこういう人が好みなのかなぁという穏やかならぬ第一印象ののち、改めて彼女の装備に視線を落としたアスナは、思わず体を固くして腰を浮かせた。

鉄灰色のケープに隠されているが、女性プレイヤーが身にまとう濃緑色の上着と大腿部がゆったりとふくらんだズボン、ステンレススチールふうに鈍く輝く金属鎧は、間違いなく「軍」のユニフォームだ。

右腰にショートソード、左腰にはぐるぐると巻かれた、黒革のウィップが吊るされている。

女性の身なりに気付いた子供たちも一斉に押し黙り、目に警戒の色を浮べて動きを止めている。だが、サーシャは子供たちに向かって笑いかけると、安心させるように言った。

「みんな、この方はだいじょうぶよ。食事を続けなさい」

一見頼り無さそうだが子供たちからは全幅の信頼を置かれているらしいサーシャの言葉に、皆ほっとしたように肩の力を抜き、すぐさま食堂に喧騒が戻った。

その中を丸テーブルまで歩いてきた女性プレイヤーは、サーシャから椅子を勧められると軽く一礼してそれに腰掛けた。

事情が飲み込めず、視線でキリトに問い掛けると、椅子に座った彼も首を傾げながらアスナに向かって言った。次いで、一応レンのほうも見てみるが、素知らぬ顔をして肩をすくめるだけ。

「ええと、この人はユリエールさん。どうやら俺たちに話しがあるらしいよ」

ユリエールと紹介された銀髪の鞭使いは、まっすぐな視線を一瞬アスナとレンに向けたあと、ぺこりと頭を下げて口を開いた。

「はじめまして、ユリエールです。ギルドALFに所属してます」

「ALF?」

初めて聞く名にアスナが問い返すと、女性は小さく首をすくめた。

「あ、すみません。アインクラッド解放軍、の略です。その名前はどうも苦手で……」

女性の声は、落ち着いた艶やかなアルトだった。常々自分の声が子供っぽいと思っているアスナはさらに穏やかでない気分になりながら、挨拶を返す。

「はじめまして。私はギルド血盟騎士団の──あ、いえ、今は脱退中なんですが、アスナと言います。この子はユイ」

「俺は、えぇと……この肩書き苦手なんだよな。………《六王》第三席のキリトです」

「僕はレンホウ。この子はマイ」

時間をかけてスープの皿を空にし、シトラスジュースに挑んでいる最中だったユイとマイのコンビは、ふい
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