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くらいくらい電子の森に・・・
第十三章 (1)
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いつは…杉野はどうした!」
『そうそう、忘れるところだったぜ。…腎臓病で入院してた、杉野くんを監禁の末に死に至らしめたのも、俺です。と自白することも忘れるな。死体遺棄の場所はこれから言うからメモして正確に証言しろよ。えーと…』
「……貴様!!!」
『は、なに、いきがっちゃってんだよ?…流迦ちゃん、かぁわいいよねぇ。俺はそっちの趣味はないけど、出るとこに出れば高値で売れるだろうねぇ!…いいこと思いついたぜ。紺野、追加命令だ。この気が狂った可哀想な子を10年にわたって繰り返し強姦しましたって証言しろよ!…あはははぁあはあははは、こいつはいいや。もうやりたい放題だなお前、あはははあはぁはははは!!!』
携帯を握りつぶさんばかりに顔を紅潮させて震える紺野さんの手から、携帯をもぎとってそっと、耳にあてた。…聞こえる。あの不愉快な高笑い。
―――あの夜、柚木を侮辱した男と同じ声だ。
「えー、紺野さんお取り込み中でして、僕が対応します…はい…」
『あ!?…てめぇ、誰だ』
声のトーンが、微妙に変わった。自分の有利さを確認するように、そろり、そろりと足場を確かめるような…。僕はおどおどした声を作った。
「…えぇと…狭霧、郁夫と申します。あなたが今捕まえている、狭霧流迦の、その…身内のものです。紺野さんとは、偶然居合わせまして。…流迦ちゃんさえ無事なら、細かいことにはこだわりません。その…何だか分からないけど、受け渡しにも協力しましょう…」
叔父さんの名前を借り、身内を強調するためにあえて『流迦ちゃん』という言葉を使った。
『…ふん、まぁいい。段取りはこうだ。まずお前らがぁ、受付にブツの入った袋を置く!そして俺達のうちの1人が、袋を回収する!!そして紺野が警察に声を掛けるのを見届けたら、流迦を解放する!!…おっとっと、忘れるとこだったぜ。今から15の地名を挙げるからな、メモして紺野に渡せ』
「地名?それは一体?」
『余計なことを知る必要はない!』
「あぁあでも、大丈夫かなぁ、これ大丈夫かなぁ」
『あァ!?何だ!!』
「いや今ね、このトランク運ぶの手伝えって言われて、紺野さんと2人で運んでたんですよ。1人じゃ、とてもとても…」
『なに、そんなに重いのか』
「えぇ…1人だと大変じゃないかなー、と。…え、何ですって紺野さん?」
あっけに取られて僕のやり取りを聞いている紺野さんをちらっと見て、あたかも紺野さんの指図を受けてるように声を上ずらせる。
「…あぁ、受付にいると、データごと警察に押さえられる可能性が!?こ、紺野さん、あんた何をしたんですか!?こりゃ一体、なんのデータなんです!?」
『そ、そうか…そりゃ、まずいな』
「…まぁいいです。余計な事は聞きません。僕にいい案がありますが…一般病棟のリネン室なんてどうでしょうか。えっと…薬品棚なん
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