第十話
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ってるのやら……」
一同は万が一の時に備えながら、ゆっくりと外に出て行った。
「何もない……か」
一同が出てきたのは、霧の湖周辺にある小さな森の中だった。
抜け穴の出口は、森の中で違和感のないように作られており、そのかいもあってか周囲に革命軍の気配は見受けられなかった。
「脱出成功ね」
「そうですね。でも、油断はできません…すぐに永遠亭に向かいましょう。鈴仙、先導を頼む」
「はい」
つかの間の休息を終え、一同は再び歩き始める。
その時だった。
ドゴオオオオォォォォン
「!?」
「なに……今の……」
「抜け穴から聞こえてきた……あいつら……壁を爆破でもしたのか……?」
「咲夜……」
「急ごう。兵士はある程度訓練されてるはずだから、すぐ追いつかれる」
俊司たちは進攻の速度を速めながらも、辺りをじっくり警戒しながら永遠亭に向かった。
数分後
「……」
最後尾を歩いていた俊司は、時折背後を確認しながら歩いていた。
「俊司さん、何か変わったことは?」
「とくにないな……とりあえず、文に連絡入れとくか……」
俊司はポケットから携帯を取り出すと、着信履歴から文の携帯を選択して電話をかけた。
「もしもし俊司さん?」
「文緊急事態だ。紅魔館が革命軍に攻撃された」
「!! 状況は!?」
「残念だけど、紅魔館は陥落したよ。ほとんどの人たちは無事だけど、咲夜さんは時間稼ぎで……」
「そんな……とにかく、無理だけはしないでくださいね……こちらから援軍を送りましょうか?」
「そうだな……そしたら……」
「いたぞ!!」
「!?」
背後からいきなり男の大声が響き渡ってくる。
俊司が振り返ると、そこには10人ほどの兵士がこっちに向かってくるのが見えていた。一同の背中に悪寒が走る。
「俊司さん……?俊司さん!?」
「……ごめん文、一旦切るよ」
「なにがあって……俊司さ……」
文の問いかけを聞こうとしないまま、俊司は通話を切った。
「さてと……どうするか……」
そう呟いてハンドガンを構えると、せまってくる兵士たちを睨みつけていた。
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