第十話
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レミリアはそう言うと、咲夜に背を向けて歩きだす。彼女は何も言い返すことなく、ただ自身の主の背中を見ることしかできなかった。
すると、何を思ったのかレミリアは再び足を止めると、振り向くことなくしゃべり始めた。
「……ってきなさい」
「え……」
「戻ってきなさい……必ず……生きて……。あなたはここのメイド長よ。あなたの代わりなんていない。死ぬことは絶対に許さないから」
「お嬢様……」
「返事は!!」
「はっ……はい!」
一通り言いたいことを言いきったのか、レミリアは咲夜に軽い笑みを見せるとそのまま抜け穴の中を進んでいった。
「必ずや……戻ってまいります……それまで……どうかご無事で」
咲夜はそう呟くと、マッチに火をつけ抜け穴の入口に投げ込んだ。
ドゴオオオオオオォォォン
ものすごい爆発音が抜け穴の中を突き抜けて行った。
「今のは……一体……」
「入口からですね……」
「かまうことないわ。進みなさい」
一同の背後からレミリアが声をかける。
「レミィ……咲夜は?」
「残らせたわ。時間稼ぎをしてもらうためにね」
「お姉さま……どうして?」
「大丈夫フラン。咲夜は戻ってくるわ……私が命令したもの」
レミリアはそう言いながら歩き続ける。
そんな彼女の後姿を見ながら、一同はすべてを把握していた。
「外の世界ならではの作戦はたくさんあるんだ。たとえば……」
一同が出口に向かう中、俊司は歩きながら外の世界の戦い方についてさらに詳しく説明していた。
「ほんとに物知りですね……俊司さん」
「そうでもないさ。単に興味のあったことだからだよ」
「へぇ……なら、私たちがでてる……『東方project』だっけ?それも興味があったのか?」
「まあ最初は友達に薦められただけだったんだけどね。それから見事にはまっちゃって」
「幻想郷で実際に起きた出来事が外の世界ではゲームになってる……なんか複雑ね」
「確かに……」
「もしかしたら、この戦いも誰かが書いてたりするんですかね?」
と冗談半分で鈴仙は口にしたが、
「……」
いやな間と静寂な空間が一同を襲っていた。
「あ……あの……冗談です。すいません……」
「いや、あり得ないこともないかもな……」
「あはは……」
「あ……どうやら出口みたいだぜ?」
そう言って魔理沙が指さす方向には、明るい光が差し込んできていた。
「フラン。日傘を差しなさい」
「うん」
「さて…どこにつなが
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