冥王星会戦(前編)
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異音を発し始める、しかし通信士は満足そうだった。
「戦艦3、巡洋艦7、駆逐艦22隻が敵艦隊より分離、砲撃距離に入ります。」
「その程度で十分という訳か!」
「目にもの見せてやる!」
レーダー士官の報告に砲術員たちがいきり立つ。
「目標!敵戦艦、砲撃用意!」
砲術士官が攻撃する艦を指示する。
「目標右プラス4、修正誤差22。」
「2番砲塔、誤差02!」
敵の砲撃が『えいゆう』のすぐそばを掠めていく。
「提督!」
近藤大佐が砲撃の許可を求める。
「まだだ、この距離では当たらん、落ち着いて狙え。」
沖田提督がその求めを却下しつつ砲術員に言う。
「敵艦隊、射程圏内に入った。」
「照準よろし!」
そして全ての数値が揃い砲撃可能を知らすランプが光った。
「全砲門開け、撃て!」
地球艦隊の砲撃が開始された。
「本艦の砲撃、命中!」
よく狙った結果だろう、砲撃は初弾から命中した、しかし…
「くそ!敵の装甲に弾かれた!」
その固い防御フィールドを前に国連艦隊の攻撃は弾かれた。
「上部甲板被弾!」
「『ゆうぎり』轟沈」
敵の砲撃も遂に国連残存艦隊を捉え始める。
「突撃艦『くらま』より入電!『ワレ、航行不能』」
突然艦に衝撃が伝わる。
「突撃艦『あさぎり』・・・、轟沈しました!!」
――冥王星付近 国連宇宙軍・巡航艦『あしがる』甲板・索敵班員室――
観測員は敵を目視で確認するため甲板に配置されていた。
装甲に守られていないそこに味方艦の残骸が飛び込んできた。
「しっかりしろ、怯むな!ボーズ!」
熟練の観測員は経験で避けることができた。
「お、おかあさ…」
しかし20になったばかりの新人は避け切れなかった。
「チクショー!」
熟練の観測員の叫び声が虚しく響いた。
――冥王星付近 国連宇宙軍・巡航艦『あしがる』艦橋――
「艦長、『しまかぜ』が!」
副長が声を上げる。
見ると『しまかぜ』が敵の攻撃を被弾した影響で徐々にこちらに近づいて来る!
「回避急げー!」
艦長がすぐさま命令を出すが…
「ま、間に合わない!」
操舵主が叫ぶ。
「うわー!」
その瞬間『しまかぜ』が『たかつき』に激突した。
――冥王星付近 国連宇宙軍旗艦・戦艦『えいゆう』艦橋――
「『たかつき』、『しまかぜ』と激突!」
「『あぶくま』撃沈!」
「『いそなみ』被弾、戦列を離れる!」
通信士が艦隊の被害状況を報告していると、『えいゆう』に敵の砲撃が命中する。
「うわ!」
衝撃で席から放り出された乗員が悲鳴を上げる。
「各部損傷知らせ!」
近藤大佐が被害を調べさせる。
「艦尾損傷、シアンガス発生!」
「右舷第3デッキ被弾、機関水力低下
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