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SAO編−白百合の刃−
SAO34-それぞれの一日
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を、ナリヤがぶつけてきた。
 確かにこんなこと、本人には言えないわね。
 それでも……。

「わたしが知っているのは強くてかっこよくて、時にお茶目な最強の騎士よ」
「お茶目って……」

 お茶目の言葉にアスナは反応して苦笑いする。

「ああ見えてもお茶目なところあるのよ。彼はそういうところを見せていないだけ」
「団長は副団長の時だけ見せているのですか?」

 私は首を振って、笑顔で答えた。

「わたしがお茶目なところを引き出しているだけよ」
「はいはい、そうですか」

 ナリヤはうっとうしそうな素振りを見せ、背を向けて始めた。

「な、ナリヤ帰っちゃうのか?」
「そうだよ。これ以上問い詰めてもイリーナの口からはヒースクリフのことを褒めるだけだ。知っていたとしても簡単には話してくれねぇだろうしな」
「あら、そんなことないわよ?」
「いえ、そんなことありますよ」
「アスナと同意見だ。一つや二つぐらい話せぇねことがあるのはわかっているんだよ」

 あらあら、元一員と副団長からそんなこと言われるなんてね。自分ではそんなつもりはなかったけど、そうらしいわね。

「それに俺が妙に思っていても、イリ―ナはヒースクリフのこと凄いしか思わないだろ?」
「わたしは観てないからわからないけど……ヒースクリフが勝つと断言できるから、勝ったのは当然みたいなものなの、わたしにとって」
「だろうな。そういうことだから行くぞ、ルージュ」
「そ、そうか。じゃあ、俺も退室します。ではイリ―ナさん、アスナさん、ごきげんよう」
「え、ご、ごきげんよう……」

 言いなれない別れの言葉を交わしたアスナを残し、ナリヤとルージュは出て行った。そしてそこからはわたしの知らない二人しか見えていないそれぞれの道を歩み出す。次会う時が楽しみね。
 
「さて、二人っきりで乙女トークでもしましょうか」
「あ、あの、副団長……一ついいですか?」
「何かしら?」

 アスナには副団長として攻略組として帰ってくるとは言っていない。それを込みでメールしてアスナは受諾し、本部へ訪れた。
 だから今日は攻略に関することは話さない……つもりでいる。
 なら、どんな話が切り開かれるのだろうか。それはそれで楽しみ。
 
「ナリヤ君とルージュさんは……どうしてここに来たのですか?」
「ナリヤはさっきのヒースクリフに関してのことで訪れたのよ」
「ナリヤ君から? 脱退してから一度もここに来てなかったですよね? なんでまた急に……」
「そうね。彼の性格を考えればもうここには来ないかと思っていたけど……そうでもなくて、それが嬉しかったわ」

 なにせ、かつての部下だった人ともう会えないとわりと本気で思い込んでいた。でもまた会えた時、彼がどんな顔をし
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