SAO編−白百合の刃−
SAO34-それぞれの一日
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ナリヤに意味を求めると、隣に聞いていたルージュもナリヤに訊ねる。
「普通じゃなかったってことなのか?」
「そうだよ、ラグとかそんなんじゃねぇ。なんというか……とにかくヒースクリフが妙だった。それしか言えねぇ……」
話だけ聞けば、明確なものはない。これだけでは単にナリヤが思い過ごしているという結論で終わり。わたしもナリヤの見間違いだと思っている。
問題なのは見間違いかもしれない話をわざわざ会って話す内容なのかしら。それも本人には告げずに……。
「アスナは見ていたのよね。ヒースクリフになにか妙だったことはあった?」
「えっと……」
アスナはその時のことを思い出していたものの、
「いいえ、なにもなかったです……」
なにも無かったと答える。
「愛しの愛しの愛しのキリトをずっと見ていたからわからなかったとかかしら?」
「なんでそこでキリト君が出てくるんですか!」
案外言った通りかもしれないわね。恋人ができることで言いところが新しく見られたり変わったりするから微笑ましいことだわ。
まぁ、アスナのことは一先ず置いとくとしましょう。
「ではナリヤの件は、ナリヤの見間違いで解決してもいいかな?」
「言いわけねぇだろ……って言いたいけど、そうなると思っていたよ」
ナリヤは思い通りにいかなかったように舌打ちをする。
「……ムカつくけど、キリトが強いことは知っている。ヒースクリフも強いことは知っている。その二人が戦ったらどちらが強いかだなんてわからない。そんでやっぱりムカつくけど俺はキリトが勝つと思った。そして七十五層の闘技場で実現した。で、結果はヒースクリフの勝ち。途中まではどうなるかわかんなかったけど、後半になってキリトが押していたけど、ヒースクリフがあっさりと勝ちやがった」
「それはだって、ヒースクリフですもの」
「あぁ、そうだろうな。あんたはそう言うよな。だが、俺は違う。最後までキリトが勝つと思った」
「……なるほど」
ナリヤの言いたいことはわかった。では答え合わせをしよう。
「つまり“妙”って言うのは……ヒースクリフが勝ったことに違和感があるっていうことでいいの?」
「そうだ。それともう一つ」
ナリヤは立ち上がって、近くに寄ってくる。そしてバンッとデスクを叩いて真相を掴むように訊ねてきた。
「イリーナ……イエローゾーンにならない確実な方法…………“なにか知っているだろ?”」
……参っちゃうわね。
ヒースクリフだからとしか、わたしには言えないもの。でも、ナリヤはそれで納得するはずがない。それは聞いていた同じ副団長であるアスナも、血聖騎士団と関わりのないルージュも同じ気持ちになるはず。誰もが一度は疑問に思うヒースクリフの強さの疑問
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