暁 〜小説投稿サイト〜
自由気ままにリリカル記
二十一話〜あるお願い〜
[7/7]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
先の攻撃を確実に避けることは出来なかった。だから負けを認めるし、お前は私が思っていたような人物で無いことも、試合を通して分かった。……だが、何故そのデバイスではなく、お前の拳で攻撃しようとした。私がお前の拳一発で落ちるとでも言いたいのか?」

話す毎にシグナムの顔は険しくなり、しまいには俺の肩を掴んでグラグラと前後に揺らし始める。

「思っている」
「っな!?」
「ちょっとこれを見てくれ」

貶されたとでも思ったのか、レヴァンティンを抜きかけるシグナムを右手で止めて、俺は近くにあった俺の大きさ程の岩の前に立つ。
腰を深くして左拳を構え、さっきシグナムにしようとした攻撃と同じ体勢になる。

「っは!」

そして、拳を岩に打ち込むと、岩にはひびが入らずにそのまあ腕だけがめりこんだ。
左腕は二の腕まで入り、その状態のまま振り返るとシグナムは愕然とした表情をしている。

「……これでも落ちない?」
「いや、落ちる。落ちなくとも手酷いダメージは受ける」
「っま、そういうわけだ」

左腕を引っこ抜くと同時に岩は爆散する。

「俺って殴った時の衝撃を外に一切漏れ出さないように出来るから、普通よりもかなり威力が高いんだ。……だから、シグナムがまともに受けてたら内臓にダメージがいくくらいはあったと思うよ」
「それは御免被る。……はあ、私の負けだな。これは」

笑顔でシグナムに話しかけると、真剣な顔で断り、すぐに笑みを零して溜め息を吐いた。

そして、シグナムはこちらにゆっくりと歩いて来て、最初に会った時のように手を指し出し、握手を求めてきた。

「お前との戦いは楽しめそうな気がする。改めて名乗ろう。剣の騎士にして烈火の将、シグナムだ」

その友好的な笑みから差し出されたに左手に俺も右手を差し出し、しっかりとお互いに手を握り合った。

「俺もシグナムさえよかったら鍛錬に付き合って欲しいかな。半人半霊の闇の精霊王、門音邦介。以後よろしく頼む」

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ