暁 〜小説投稿サイト〜
自由気ままにリリカル記
二十一話〜あるお願い〜
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ると、その視線の先には車椅子に乗った少女と、その車椅子を押す、長いピンク髪をポニーテールにした女性がいる。車椅子に乗った少女はゆったりした薄手の長袖にベージュのカーディガンを着て、ロングスカートを履いており、ピンク髪でポニーテールな妙齢の女性は乳白色のワイシャツとバラ色のタイトスカートを着こなし、まるで仕事の出来る女性を思い起こさせるような姿をしている。

ぶっちゃけ、八神はやてとシグナムである。

まだ、無印の事件が解決していないにも拘らず、夜天の書、現在の闇の書が起動していることには驚いたが、このあたりから起動しているんだな。

……おっと、シグナムがこちらの視線に気づいて若干怪訝な表情で見ているな。あまり固まりすぎるのは得策じゃないか。

(蒼也、動け。さっさと動かないとシグナムに疑われるぞ。何があったのかは知らないがとりあえず、ここは無難に会話をこなして、さらっと本を探すぞ)
(……あ、ああ。そうだな。八神はやてに呼び止められそうでこわいが……。それにしても、もう闇の書が……時期が早まっているぞ)
(まじかよ。まあ、気にせずに図書館に入ろう)

無言で頷き合い、図書館に入ろうと一歩足を踏み出した瞬間。

「あ! 東雲君。久しぶりやなあ」

どうやら時間切れだったらしく、遠くに見えた八神達の姿は既に一メートル圏内。さすがに蒼也だと分かったらしく、元気の良い声で話しかけてきた。
それとは対照的に若干戸惑い気味の声で返事をする蒼也。
「あ、ああ。久しぶり。……いつものようにここに来てるのか?」
「いやな、最近私の部屋に越して来た親戚の人がおるんやけど、その人達の身の回りの整理で忙しくてあまりここに来れなかったんよ。それで、今日ようやくゆっくり出来るようになったから、東雲君がきっと寂しがってるやろなあ、と思って来たんよ。……あれ? そっちの人は東雲君の友達?」

ニコニコと楽しそうに話しかけていた八神は俺の存在に気付くと不思議そうな顔をして尋ねてきた。

「ああ。友人の門音邦介だ。俺と同じ学校に通っている」
「へえー。そうなんかあ。よろしくな、門音君。私の名前は八神はやて言いますー」
「おう。よろしく、八神さん」

軽く挨拶をすると八神が手を差し出してきたため、こちらも手を出して握手をする。
その時に若干シグナムから厳しい視線を感じるも意図的に無視する。

「……それで、はやて。この人がその親戚の人なのか?」
「そうやで。名前はシグナム。胸が大きいからって触ろうとしたら痛い目見るかもしれんから気をつけた方がええよ?」
「どうも、シグナムと言います」
「あ、どうも」

シグナムが軽く礼をして俺の方に握手を求めてきたので、何故蒼也に握手を求めなかったのか不思議に思いつつ握手をして……手を魔力コ
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